1992 Fiscal Year Annual Research Report
類洞内皮細胞のsieve plate形成に関する研究
Project/Area Number |
04670001
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
平 一男 群馬大学, 医学部, 講師 (40008272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 武生 群馬大学, 医学部, 助手 (70150919)
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Research Abstract |
肝臓の類洞内皮細胞は小孔fenestraや小孔の集団sieve plateをその薄膜部分に備えているが、これらはCaveolae表在小胞に由来すると推測されているにすぎなかった。 我々はフリーズ・レプリカ法で絶食後再給食したハムスターの肝臓の類洞内皮細胞に分岐吻合する細胞質小柱から成る特異な構造、“網眼小体"を見出し、これはsieve plateの形成に関与する構造であるとの作業仮説の基に検索を進めた。 1.絶食後再給食した成体ハムスター肝臓の類洞内皮細胞をフリーズ・レプリカ法、走査電顕法および超薄切片法で検索した。 いずれの方法においても網眼小体には多数の小孔と細胞質小柱とが観察さた。網眼小体のあるものは類洞またはDisse腔へ突出していた。 したがって従来、pored domeとして記載されている構造は網眼小体に含まれることが明らかになった。 2.成体ハムスター腎臓をフリーズ・レプリカ法で検索し、数個の小突起を容れた陥凹野、これら小突起を繋ぐ小稜構造、あるいは数個の小窩を容れた隆起野などの構造を糸球体毛細血管の内皮細胞に見出した。 したがって、網眼小体が諸臓器の血管内皮細胞に一般的に出現する可能性が出てきた。 3.フレーズ・レプリカ法、走査電顕法および超薄切片法で胎生および生後発育期のハムスター肝臓を検索し、網眼小体が胎生期および生後発育期の類洞内皮細胞にも出現することを明らかにした。 4.フリーズ・レプリカ法、走査電顕法および超薄切片法で肝臓の類洞内皮細胞をさらに検索した結果、細胞膜の陥入、陥入構造の集積、集積体から網眼小体の形成、および網眼小体とsieve plateとの癒合などが見出された。 これらの構造はsieve plate形成の一連の過程を示しているものと思われる。
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