1994 Fiscal Year Annual Research Report
刺激伝導系の分化過程における筋蛋白質の遺伝子発現に関する研究
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04670005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
豊田 直二 千葉大学, 医学部, 講師 (00188822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮山 政敏 千葉大学, 医学部, 助手 (70175339)
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Keywords | 刺激伝導系 / Purkinje fiber / トロポニン / アクチン / 螢光抗体法 / in situ hybridization |
Research Abstract |
心筋troponin C (CTnC)および骨格筋誘導因子(Mif-5,myogenin と MyoD1)の遺伝子発現について調べた。ニワトリ胚についてwhole mountのin situ hybridizationにより調べた。 心臓におけるCTnCの発現: Whole mountのin situ hybridizationは、頭胸部に非特異的な反応が大きく現れたため心筋におけるCTnCの発現は確定できなかったが、CTnC mRNAは stage 9(孵卵後約29時間後)以前の心臓に発現することが示唆された。蛍光抗体法により調べると CTnC 蛋白質の出現は心臓でstage 9なのでCTnC蛋白質の合成は、mRNAの転写とほぼ同時かやや遅れることが考えられた。 骨格筋におけるCTnC,Mif-5,myogeninとMyoD1の発現: 骨格筋の原器である体節について調べた。CTnC mRNAは stage 11(孵卵40〜45時間後)には発現していた。体節におけるCTnC蛋白質の出現はsatge14なのでCTnCはmRNAの転写より少し遅れて蛋白質が合成されることが分かった。 Mif-5,MioDとmyogeninはそれぞれstage7-8(約23-29時間後),10(33-38時間後)および9-10(29-33時間後)の体節に発現していた。これらの誘導因子の発現についてこれまで報告されているものと比較すると、それぞれの因子の発現順序は同じであったが、発現時期は早かった。特にMif-5は2体節期にすでに発現しており、筋誘導因子というより体節の形成に関する因子と思われる。これまでの報告では筋誘導因子はstage 13-14以後に発現と思われていたが、骨格筋蛋白質のdesminはstage 11に出現し、骨格筋が誘導される前に筋蛋白質が存在するという矛盾があった。我々の結果では筋誘導因子はより早い時期に発現しており、筋蛋白質と筋誘導因子の発現時期に関する矛盾は解決した。
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[Publications] Masatoshi Komiyama: "Troponin and dystrophin in regenerating muscle fibers with and without denervation." Muscle and Nerve. 17. 1062-1064 (1994)
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[Publications] Zhen-Hua Zhou: "Effect of cyclochlorotine on myofibrils in cardiomyocytes on actin filament.bundles in fibroblasts in vitro." Natural Toxins. 2. 378-385 (1994)
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[Publications] Naoji Toyota: "Inborn Heart Disease: Developmental Mechanisms" Futura Publishing (in press),