1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670020
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
竹内 京子 愛媛大学, 医学部, 助手 (80116954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 庸一郎 愛媛大学, 医学部, 教授 (30028344)
絹谷 政江 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60035491)
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Keywords | ニワトリ・ウズラキメラ / 腸管 / 神経堤細胞 / 迷走神経域 / 腸管神経叢 / ICC(カハールの間質細胞) |
Research Abstract |
1.ウズラ→ニワトリ胚間移植実験系を用いることにより、体節1〜7レベル(迷走神経域)の神経堤細胞が腸管に入り、腸管神経叢を形成することが証明されている。迷走神経域の各レベルの神経堤細胞に分節的な移動、あるいは腸管支配域があるかどうか調べるために体節1〜7レベルの神経管を3体節分あるいは1体節分に区切って移植し、そこから出る神経堤細胞の腸管分布域を検討した。その結果、体節3〜5レベルから出た神経堤細胞は腸管全域に分布し、数量的にも体節1〜7移植のものにほぼ匹敵していた。体節3、4、5レベルの神経堤細胞は、分布にやや偏りの傾向が見られるがほぼ腸管全域に移動することが明らかとなった。以上のことから、体節3〜5レベルの神経堤細胞が腸管神経叢の主たるsourceであることが確認されたが、分節的な意味があるかどうかについては今後さらに検討を必要とする。 2.近年、腸管のペースメーカー、刺激伝導系として提唱され注目されているものにカハールの間質細胞(ICC)がある。この細胞起源については明らかになっていない。そこでウズラ→ニワトリ胚間移植実験系を用いることにより、ICCが神経堤細胞由来かどうかの証明を試みた。まず、生後ニワトリの腸管をZIO法で染色し、筋間神経叢の周辺と深部筋神経叢にICCの存在が確認された。TEM観察の結果、これらは小さいGap結合を持つ(1)平滑筋細胞に類似している細胞 (2)平滑筋細胞とかみ合っている線維芽細胞様細胞 (3)線維芽細胞様細胞に分類された。次に、正常胚でICCの発生を観察したが、未分化な細胞と生後に見られる細胞とをつなぐのは難しく、さらに検討を必要とする。移植系による細胞起源についても未分化な細胞の同定が困難なことからさらに検討が必要であるが、ビメンチン抗体で間葉系細胞を染めた場合、ICCの存在位置に一致してビメンチン抗体陽性細胞が存在することとHNK-1抗体で神経堤細胞を染めた場合の結果から、ICCは間葉系細胞由来であることが示唆された。また、ICCは生後にはっきり認められることから、今後、ウズラ→ニワトリキメラの孵化を試みることにより、より正確な結果が得られるものと思われる。
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Research Products
(1 results)