1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670035
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
門田 朋子 千葉大学, 医学部, 助教授 (00089864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 芳郎 帝京技術科学大学, 医学部, 講師 (70009637)
溝手 宗昭 帝京技術科学大学, 情報工学科, 教授 (70009645)
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Keywords | シナプス / シナプス小胞 / シナプトファイシン / 細胞骨格 / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
1.神経伝達時におけるシナプス小胞膜の転送について ネコ上頚神経節の節前線維に高頻度連続刺激(10Hz)を与えた際の、節前線維終末におけるシナプス小胞の超微形態変化を電子顕微鏡を用いて観察した。電気刺激に応じてシナプス前膜に開口したシナプス小胞は、直ちに大型エンドサイトーシスによって終末内に取り込まれ終末エンドソームとなる。これらは次いで終末前部付近で多胞体となって軸索内へ逆行性に輸送される。これらの膜成分を免疫細胞化学的に検索すると次のようなことが示唆された。終末エンドソーム膜にはシナプス小胞特異蛋白が多く取り込まれる。その一部は局所的にソーティングされ、出芽の形でシナプス小胞として終末内へリサイクルされる。 2.シナプス形成期におけるシナプス小胞蛋白の発現と細胞内局在変化。 ラット小胞皮質外顆粒層細胞は生後著しい発達をとげる。これを利用して、シナプス小胞特異蛋白、とくにシナプトファイシン(SY)がニューロン発生のどの時期に発現してくるか、その細胞内局在は発生に伴ってどのように変化するかを免疫組織細胞化学的に検索した。外顆粒層は増殖層と移動前層の2層から成るが、移動前層の発生初期の顆粒細胞には既にSYが発現しており、その局在はゴルジ体のトランス側シスターンと周辺の小胞構造にある。さらに外顆粒細胞から伸び出す軸索(平行線維)や、その先端や途中にみられる成長円錐、小膨隆にもSYが発現している。その局在はシナプス小胞様構造や小管状構造物にある。これらはしばしばプルキンエ細胞樹状突起と接触し、さらにそれはシナプス構造へと分化してくる。以上の成績からSYは発生初期のニューロンにシナプス形成に先行して発現し、ゴルジ体周辺のシナプス様小胞に組み込まれ、次いで軸索中へ運搬されるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 門田朋子: "膜のリサイクリング" 生体の科学. 44. 414-415 (1993)
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[Publications] Ken Kadota: "Changes of dopaminergic signal systems in the rat striatum." Recent Advances in Toxicology Research. 3. 161-163 (1992)
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[Publications] Tomoko Kadota: "Rapid recovery of structure and function of the cholinergic synapses in the cat superior cervical ganglion." Journal of Neurocytology. 22. 743-752 (1993)