1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670037
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
杉浦 康夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50093042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 紀之 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40244371)
外崎 敬和 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50155545)
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Keywords | 内臓求心性入力 / 迷走神経 / 交感神経 / 胃幽門部 / コレラトキシンB / WGA-HRP / DiI |
Research Abstract |
ほとんどの内臓器官には運動性の神経として交感神経と副交感神経が分布支配しいてる。この二種類の運動性神経の働きを律速する求心性神経も、その運動性機能の違いにより入力の異なると考えられる。しかしこの自律神経系の求心性入力の研究は最近になって始まり米国の学会での発表を見るに過ぎずほとんど行われておらず分かってもいない。 1)私たちのグループは胃の幽門部にコレラトキシンBまたはWGA-HRPを注入して求心性入力を受け中枢に伝える起始神経節を調べ決定した。その結果、コレラトシンBに比べWGA-HRPによる標識はやや小型の細胞に多くみられる傾向にあったが基本的には差はなかった。全標識細胞の53-66%の細胞は迷走神経下神経節に、約1-2%の細胞は交感神経頚神経節に、30-44%の細胞は胸椎(T)4-T13の後根神経節に分布していた。標識された神経細胞の大きさは迷走神経では10-45μm、後根神経節では25-50μmと後根神経節の細胞の方がやや大きいという差があった。これらの結果は胃幽門部の求心性神経は主に迷走神経下神経節とT9-10後根神経節のある中型から小型の細胞から胃幽門部に分布することを示していた。 2)次に胃の幽門部への求心性神経の分布の違いをみるために迷走神経の下神経節と舌咽神経の下神経節との間で切断後、迷走神経下神経節とT9の後根神経節にDiIを注入した。注入一か月後に蛍光顕微鏡で観察すると幽門部筋層、幽門腺部、胃小窩に細い求心性の線維とその終末を確認できた。しかし現在までのところ末梢神経の標識が難しく得られた例数は少ないがそれによると二種類の神経の分布に違いがあり、迷走神経は胃小窩の先端部、脊髄後根神経し胃小窩の基底部に分布するように見えるが今のところ例数が少なく確実なことは言えない。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Sugiura et.al.,: "Quantiative analysis of central terminal projections of visceral and somatic unmyelinated(C)primary afferent fibers in the guinea pig." Journal of Comparative Neurology. (1993)
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[Publications] K.Mizumura et al.,: "Spinal termination patterns of identified A-d and C spermatic polymodal receptors taced by intracellular labeling with Phaseolus vulgalis leucoagglutinin" Journal comarativ Neurology. (1993)
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[Publications] N.Ozaki et al.,: "Sensory innervation of the pyrolic part of the stomach" Acta Anatomica Nipponica. (1993)
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[Publications] 本多 たかし他: "ラット空腸壁内に存在するPGP9.5免疫陽性線維の分布" 解剖学雑誌. 67. 127- (1992)
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[Publications] 小田 哲子他: "Capsaicin処理ラットにおけるC-fos関連蛋白の発現について" 解剖学雑誌. 67. 528- (1992)
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[Publications] 杉浦 康夫他: "内臓求心性無髄神経の脊髄内終末の電子顕微鏡的観察" Pair research. 7. 188- (1992)
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[Publications] Y.Sugiura et al.,: "Organization of the central projection of unmyelinated primary afferent fibers.In Processin and inhibition of nociceptive information." Elsevier Sci.Pub., 9-13 (1992)
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[Publications] K.Mizumura et al.,: "Spinal projectionof identified testicular afferent traced by intracellular labelin with PHA-L.In processing and inhibition of nociceptive infromation." Elsevier Sci.Pub., 181-184 (1992)