1993 Fiscal Year Annual Research Report
HgCdTe赤外線検出器による骨格筋収縮時の高速熱分解能熱産生測定
Project/Area Number |
04670053
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小林 孝和 帝京大学, 医学部, 講師 (00112756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 一成 帝京大学, 医学部, 助手
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Keywords | 熱産生測定 / HgCdTe赤外線検出器 / カエル骨格筋 / 等尺性強縮 / 局所的熱産生 |
Research Abstract |
平成5年度は、平成4年度に試作したHgCdTe赤外線半導体検出器による熱産生測定装置(温度分解能1mdeg、時間分解能1msec以下)を用い小型ウシガエル縫工筋の等尺性強縮時における局所的部位(直径5mmの領域)の熱産生を室温下で測定し、従来の熱電推で測定された熱産生の時間経過の結果を比較した。実際、熱電推で測定された等尺性強縮初期の熱産生は、必ずしも上に凸状ではなく直線状やシグモイド状に上昇していくものがみられ、筋と熱電推が正しく接触し筋で産生した熱が正味伝導しているかどうか疑わしい。筋中央部で測定した局所的熱産生の時間経過は、収縮初期に大きなheat rateをともない、やがて時間とともに減少していき定常強縮中一定のheat rateとなる、いわゆるWoledgeの提唱するような3つの時相をもった時間経過を示した。ついで筋標本と赤外線検出器の間に走査機構を組み込み、筋の長軸方向に沿って1次元的に走査を行うことにより、筋弛緩時の局所的空間的な熱分布が等尺性強縮直後どのような熱分布へと移行するの調べた。この実験は現在進行中で、これと平行して日本電子の協力により赤外線サーモグラフィ装置を用いて調べた。筋弛緩時および等尺性強縮直後の熱分布は不均一でゆるやかな温度勾配を持つことがわかった。それらの差をとった正味の等尺性強縮中の熱産生量も不均一であり、縫工筋の場合、腰骨端のほうが頸骨端のほうより熱産生量が大きい傾向にあった。さらに、局所的な熱産生がその部位での力学的な応答とどのような関連ずけられるか調べた。等尺性強縮中の局所的熱産生とその部位での筋分節の長さ変化を、筋表面上に筋の長軸方向と垂直に数10um程度の径のmarkerを7-10個置き、1次元的に走査を行い経時変化をとることにより同時記録した。等尺性強縮中、内部短縮した中央部と腰骨端部のセグメントの熱産生量は、伸長された頸骨端部のセグメントの熱産生量より大きくなる傾向にあった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Kobayashi: "Measurement of heat production in contracting muscle with an HgCdTe infrared detector" Journal of Muscle Research and Cell Motility. (1994)
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[Publications] T.Kobayashi and H.Sugi: "Measurement of local heat production during isometric teranus in frog skeletal muscle with an infrared thermography" Nature. (1994)