1993 Fiscal Year Annual Research Report
急速冷却による心筋小胞体Ca放出チャンネルの開口機序と生理学的意義
Project/Area Number |
04670055
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Research Institution | The Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
栗原 敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90057026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 悦子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70256410)
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Keywords | 細胞内Ca / 心筋 / 温度 / 筋小胞体 / Na‐Ca交換系 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
急速冷却によるCaイオン遊離機構と、細胞内に増加したCaイオンの除去機構を、エクオリン法を用いて調べた。エクオリンの光信号を細胞内Caイオン濃度に変換するために、種々の温度でCaイオン濃度とエクオリンの発光との関係を測定して、較正曲線をもとめた。溶液の温度を30℃から、24、18、12、7、4℃の各温度に低下させ、その時の細胞内Caイオン濃度を測定した。急速冷却時の温度が低くなるに従い、Ca信号の立ち上がりは遅くなった。また、Ca信号の減衰時間が延長した。急速冷却により放出されるCaイオン濃度は、冷却温度が低くなるに従い高くなった。これらの結果は、心筋筋小胞体のCa放出チャネルの開口は、急速冷却時の温度差に依存することを示唆している。低温下におけるCa除去機構を調べるために、各Ca除去機構に対する阻害剤を用いて抑制し、低温下における細胞内Ca除去機構を調べた。(1)Na‐Ca交換機構を抑制するNiや無Na溶液中では、Caの減衰時間は軽度に延長した。(2)筋小胞体のCa取り込みを抑制するタプシガルギン存在下ではCaの減衰時間はほとんど延長しなかった。しかし、タプシガルギンと同様な作用を持つTBQ存在下では、軽度な減衰時間の延長が認められた。(3)ミトコンドリアのCa取り込みを抑制するルテニウムレッドは著しく減衰時間を延長させた。これらの結果は、低温下ではCaはミトコンドリアに取り込まれると同時に、一部はNa‐Ca交換系と小胞体によっても処理されることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tanaka E: "Ca^<2+> release from sarcoplasmic reticulum induced by rapid cooling in ferret ventricular muscles." Journal of Molecular and Cellular Cardiology. suppl.1. S.211-S.211 (1992)
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[Publications] Tanaka E: "Factors in fluencing the rapid Cooling‐induced Ca^<2+> rclease from Sarcoplasmic reticulum in ferret ventricular muscles." Japanese Jaurnal of Physiology. 43(suppl.2). S100-S100 (1993)
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[Publications] 田中悦子: "温血動物心室筋細胞内Ca^<2+>処理機構の温度依存性" 日本病態生理学雑誌. 1. 44-44 (1993)
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[Publications] Tanaka E: "Calcium release from sarcoplasmic reticulum induced by rapid cooling in ferret ventricular muscles" Japanese Circulation Journal. 57. 709-709 (1993)
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[Publications] Tanaka E: "Mechanisms of Ca^<2+> release induced by rapid cooling and Ca^<2+> remoral at low temperature in ferret ventricular muscles" Abstract of 32 Congress of the International Union of Physiological Sciences. 139.22/p-139.22/p (1993)