1992 Fiscal Year Annual Research Report
新神経トレーサーで同定した中枢神経細胞のムスカリン様受容体機能発現機構の解明
Project/Area Number |
04670063
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
徳冨 直史 熊本大学, 医学部, 講師 (30227582)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 紀生 東北大学, 医学部, 教授 (30040182)
|
Keywords | アセチルコリン / 中枢神経細胞 / ムスカリン様受容体 / イオン電流 / マイナート隔 / 中隔核 / 興奮性応答 / 蛍光トレーサー |
Research Abstract |
細胞内二次メッセンジャー等の電極内への流失拡散を防止すべく改良されたニスタチンパーフォレーティッドパッチクランプ法を用いて大脳皮質細胞および海馬錐体細胞のムスカリン様受容体応答を調べた。マイナート核および中隔核からの信号入力細胞は蛍光トレーサーDi-Aを用いて同定した。保持電位-40mVで膜電位固定下、アセチルコリン(10^<-5>M)を投与すると大脳皮質細胞で持続性の内向き電流を発生した。定電圧連続パルスに対応するパルス電流の振幅変化とアセチルコリン応答の電流-電圧関係より、この内向き電流は、Mチャンネルの閉鎖によって起こることが証明された。 ムスカリン様受容体アゴニスト(アセチルコリン,オキソトレモリン,MN-A-343,ムスカリン)とアンタゴニスト(アトロピン,4-DAMP,ピレンゼピン,AF-DX-116)の薬物活性スペクトルより大脳皮質細胞のアセチルコリン応答に関係するムスカリン様受容体サブタイプはM_1型であることが示唆された。一方海馬錐体細胞におけるACh応答はM_1受容体とM_3受容体サブタイプの活性化によることが示された。シナプス部位における興奮性シナプス後電流発生においても同様のムスカリン様受容体サブタイプが重要な役割を果たしており、マイナート核と中隔核からの興奮性入力系として病的状況下において細胞死を十分起こしうる可能性があることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Tokutomi N.: "Penicilli-induced potentiation of glycine receptor-operated chloride current in rat ventro-medial hypothalamic neurones" British Journal of Pharmacology. 106. 73-78 (1992)
-
[Publications] 赤池 紀生: "脳による運動制御のメカニズム" 運動生化学. 3,4. 152-157 (1992)