1992 Fiscal Year Annual Research Report
運動神経細胞樹状突起上の興奮性アミノ酸レセプターの分布
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04670086
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Research Institution | Juntendo Medical College of Nursing |
Principal Investigator |
小野寺 加代子 順天堂医療短期大学, 看護学科, 助教授 (00053091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 昭 順天堂大学, 医学部, 教授 (70052959)
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Research Abstract |
幼弱ラット脊髄のスライス標本を作り、運動神経細胞に細胞内電極を刺入するか、またはパッチ電極を装着して蛍光色素を注入すると、蛍光顕微鏡下で細胞の形状を観察できる。微小管に種々のアミノ酸と蛍光色素をつめ、直視下で神経細胞の樹状突起上にアミノ酸を電気泳動的に投与し、アミノ酸レセプターのサブタイプの分布を調べた。somaではすべてのタイプのアミノ酸レセプターが存在する。しかし、dendriteではグルタミン酸(Gul)やキスカル酸(Quis)に対しては高い感度を持つが、NMDAおよびカイニン酸(KA)に対しては、一般的には感度が低く、NMDAやKAレセプターの密度は低いと考えられる。しかし、所によって非常に高感度の所がある。グルタミン酸をdendrite上のsomaに非常に近いところ(a点)と離れたところ(b点)の2点に局所投与し、whole cell recordingで記録されたグルタミン酸電位を比較してみると、APVによりa点のGlu応答(b)は非常に抑制されるが、b点でのGlu応答は僅かしか抑制されない。この様なdendriteにおけるレセプター分布のばらつきは実際のシナプスの分布と関係があると思われる。 b点をsomaから離していくと、b点でのGlu応答はa点でのGlu応答に比して非常に小さくなり、投与するGluのdoseを増しても大きくならない。この方法でグルタミン酸に対する感度(mV/nC)を調べると、3日令のラットではsomaから150ミクロン以上離れたdendriteでの感度は1/10-1/50以下に減衰した。somaから150-200ミクロンの所は形態学的なデータを当てはめてみると、Ia線維のシナプスの90%が存在している場所と考えられるので、運動神経細胞への情報の伝達がどの様になされているのか興味のもたれるところである。
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Research Products
(1 results)