1992 Fiscal Year Annual Research Report
アデニレートキナーゼの組織並びに分化特異的発現機構の解析
Project/Area Number |
04670144
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野間 隆文 山口大学, 医学部, 講師 (40189428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 淳 山口大学, 医学部, 教授 (90025594)
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Keywords | アデニル酸キナーゼ / 組織特異性 / 分化特異性 / 転写制御因子 / MyoD / TATAボックス / ハウスキーピング / CATアッセイ |
Research Abstract |
アデニル酸キナーゼは,細胞内でAMP,ADP,ATPの間での相互変換に関わる酵素であり,生物界に広く分布し,エネルギー代謝における恒常性の維持に寄与する重要な酵素である。脊椎動物には3種類のアイソザイム(AK1,AK2,AK3)が存在し,これらはいずれも22-26KDaの単量体として存在し,アミノ酸配列も極めて良く似ている。また,各アイソザイムは特有な細胞内局在性を有している。 本研究では,-これからの点に注目し,これらアイソザイム遺伝子発現制御機構を分子レベルで明らかにするとともに,これらのアイソザイムの組織ならびに分化特異的な発現について,その転写制御のレベルでのメカニズムを分子レベルで明らかにすることが目的である。 組織特異ならびに分化特異性についてはmRNAレベル,タンパクレベルで発現量を調べ,明らかにした。(研究発表論文参照) 次いで現在各アイソザイム遺伝子のプロモーター領域のクローニングを完了し,AK1,AK3については,それらのプロモーターの汚性をCATアッセイ法によって解析を行なった。その結果,特にAK3については,プロモーターの構造的特徴としてTATAボックスを欠く,典型的なハウスキーピング型の遺伝子の様式を有しているだけでなく,転写開始の機構を考える上で,既存のメカニズムとは異なるユニークな転写因子の存在の可能性を明らかにした。(未発表)AK1についてはプロモーター領域に筋特異的転写因子MyODの結合部位の配列を13ヶ所認め、AK1遺伝子の筋肉特異的発現の根拠としての可能性を明らかにした。今後はAK3における新たな因子の固定,機能解析を行なうとともに,AK1における筋特異的転写因子の作用様式の解析,ならびにAK2遺伝子の発現機構の解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)