1993 Fiscal Year Annual Research Report
癌進展に伴う染色体DNA変化の組織切片によるin situ解析
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04670182
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
眞嵜 武 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00219320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 奏 (桂 奏) 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60234259)
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Keywords | 癌進展 / 染色体数異常 / FISH / in situ解析 / レーザ顕微鏡 |
Research Abstract |
(1)共焦点レーザ顕微鏡を用いたセントロメアのカウントの際に、抗セントロメア抗体(FITC標識)とともに抗核膜抗体(TRITC標識)で核膜を対染色することによってカウントの信頼性が向上した。核膜染色を重ねたうえで厚さ(z軸)方向の断層像を再構築すると、PIによるDNA染色の場合よりも正確に核が切れているかどうか判定することができた。(2)1番染色体特異的プローブを用いて組織切片でFISHを行い、共焦点レーザ顕微鏡を使ってシグナルをカウントすることを試み、隣接の厚切り切片から単離した核でのFISHの結果との対比を行なった。切片でのカウント結果に比べて単離核では、シグナルの多い倍数体の細胞の割合がかなり減少していた。これは大きな核が単離過程で破壊されやすい、あるいは失われやすいことを反映していると考えられる。切片でカウントする時に倍数体の細胞の分布を合わせて検討した結果、倍数体ばかりの集団を作って分布する場合と、散在性に分布する場合があることが分かった。前者では新たなsubcloneとして確立している可能性があるので、後者との間に他の染色体の数的異常の程度に差があるかどうか現在検討している。(3)大腸癌からの単離細胞に対して、2種類の染色体特異的プローブを用いたdual color FISHを行なうことによって、両方のシグナルが正常の2個であるinternal control cellの評価をより正確に行なえるようになった。また複数の観察者によりカウントの再現性をチェックしつつ症例を増やしている。(4)1つの病変内で、組織像の異なる複数箇所からサンプリングしてFISHを行なった結果、プロイデイと同様に染色体数でも部位による多様性が認められた。同時にPCRを用いて調べたras mutationのパタンが全病変部で共通のものでも、部位間で染色体数的異常が検出できた。しかし腫瘍進展に伴う特定の染色体数の変化は検出できていない。
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