1992 Fiscal Year Annual Research Report
潜在性及び臨床的前立腺癌における癌遺伝子、ras遺伝子の関与:日米症例の比較検討
Project/Area Number |
04670183
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小西 登 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20145832)
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Keywords | 前立腺癌 / ras遺伝子 / 潜在癌 / p21 |
Research Abstract |
本研究の目的である前立腺癌の日本症例におけるras mutationの比較検討のために、まず本邦の症例を臨床癌約70例と潜在癌23例が集められた。免疫組織学的検索においてはras p21とPCNAについて検討した。p21については潜在癌では高分化型腺癌(63.6%)、中分化型(40%)、低分化型(100%)の陽性所見を示したが、(雑誌CANCERにて発表)臨床癌もほぼ同様の傾向、すなわち低分化型ほど陽性を示した。癌遺伝とくにras遺伝子の中でも、K-ras遺伝子のmutationが比較的多いことから、この遺伝子について検索中であるが、潜在癌では26%と高頻度であった。現在臨床癌約70例のうち30症例についてK-ras遺伝子のcodon12,13についてdirectsequenceを行ったところ4例のmutationが見つかった(13%)。しかし、全例はまだ完了しておらず、また他のras遺伝子の検出の必要性も考えられ、現在検討中である。PCNAの免疫組織学的検索の結果は、明らかに低分化型腺癌になるほどPCNAのLabeling indexが増加しており、高分化型腺癌で1.12、中分化型で4.17、低分化型で6.55であった(雑誌ONCOLOGYにて発表)。全体的な傾向からはras p21と同様であるが、個々の症例については必ずしも一致していない。米国人の症例については、NIHより20例ほど入手したが、個々の症例にはパラフィン切片1枚のみのものもあり、免疫組織学的検索を加えることは不可能であり、米国症例についてはその検討がまだ進んでいないが、可能な症例については、現在その解析に着手したところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Noboru Konishi,et al: "K-ras activation and ras p21 expression in latent prostatic carcinoma in Japanese men" Cancer. 69. 2293-2299 (1992)
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[Publications] Noboru Konishi,et al: "Immunohistochemical evaluation of estrogen receptor status in benign prostatic hypertrophy and in prostate carcinoma and the..." Oncology.