1993 Fiscal Year Annual Research Report
キメラマウスを用いたサイトメガロウイルス前初期遺伝子発現と病原性の解析
Project/Area Number |
04670222
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Parefectural Colony |
Principal Investigator |
筒井 祥博 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 部長 (50073135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏井 明子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 研究助手
門田 知佳 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 研究員 (80214419)
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Keywords | サイトメガロウイルス / キメラマウス / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
研究費補助期間内に研究課題の達成のために努力したが、表題の様な最終目標に到達することが出来なかった。しかし、現在その過程にあり、現在まで行って来た過程と問題点を報告する。はじめにマウスサイトメガロウイルス(MCMV)の前初期(IE)遺伝子を培養細胞レベルで発現させる試みを行い、次いで個体レベルでの発現を試みた。個体レベルにおいては、キメラマウスを作成する方法と、トランスゲニックマウスを作成する方法の両方を試みた。 胚幹(ES)細胞ES-D3をpSV2neo-MIEと混合し、electroporationを行い、G418の添加による選択を行った。MCMC IE遺伝子産物を検出する抗体を用いて蛍光抗体法で発現しているコロニーを得た。さらにクローニングしてクローンESMIE16-9-1細胞株を得た。この細胞株のDNAでMCMV ie1エクソン3を増幅するプライマーでPCRを行い152bpのバンドを得た。 BDF1マウスを授精して3日後に胚盤胞を取り出し、その胚胞腔内に、ESMIE16-9-1細胞の注入を試みた。注入は技術的に極めた困難であったが、7回約100個の胚盤胞に注入し、約10匹の偽妊娠ICRマウスの子宮に戻して、2匹のみから4匹づつ8匹生まれたが、4匹はすぐ親が殺してしまった。これらの尻尾からDNAを抽出し、PCR法にてMCMV IEの増幅を行ったが、バンドを検出することが出来なかった。この方法でキメラマウスを作ることは現在の状態では困難であることが明かになったので、時期を待って再開することとし、当面トランスゲニックマウスを試みることにした。 MCMVの前初期遺伝子調節領域(MIEpro)を含むPst I断片をコローニングした。これよりie1遺伝子上流域(MIEpro1)として、MIEpro1-lacZ組換体を作った。このDNAをN18TG2細胞にトランスフェクションした細胞をbeta-Gal染色すると、20%以上の細胞がブルーに発色した。BDF1マウスの授精卵にpMIE-lacZを核内に注入し、偽妊娠状態のICRマウスの卵管采から10個づつ両側へ戻した。約20匹の偽妊娠マウスに戻して生まれてきたのは5匹合計36匹の子供が生まれた。組換体のintegr ationはbeta-galactosidase遺伝子内の318bpを増幅するPCR法で行った。36匹のマウスの内4匹にはっきりとしたバンドを認めた。F2マウスですべての子供が陽性バンドであった。beta-Galの発現については現在検討中である。
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[Publications] 門田智佳,長浜真人,筒井祥博: "Relafionship between HOX2 homeobox gene expression and the human eytomegalovirus immediate enly genes" Journal of General Virology. 73. 975-981 (1992)
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[Publications] 柏井明子,河村則子,門田智佳,筒井祥博: "Snoclytibility of mouse embryo to murine cytomegalovirus infection in early and mid-gestation stages" Arohires of Virology. 127. 37-48 (1992)
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[Publications] IKeda.T,Shimotata.K,Fukatsu.T,Tsutsui.Y,Nishiyama.Y,: "Patho genisis of cytomegalovirus-associated preum on:L:S is ICR mice:possible involvment of superoxde rad:cals." Archres of Virolory. 127. 11-24 (1992)
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[Publications] 筒井祥博,柏井明子,河村則子,門田智佳: "Microphthalmia and cercbroal atrply induced in mouse embryos by infection with murine cytomegalovirus in midgesfation." American Journal of Pathology. 143. 804-812 (1993)