1992 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体を用いたバンクロフト糸状虫症の診断法の開発
Project/Area Number |
04670224
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 仁 千葉大学, 医学部, 助手 (80009654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 英一 千葉大学, 医学部, 助手 (00110304)
新村 宗敏 千葉大学, 医学部, 助教授 (60059095)
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Keywords | バンクロフト糸状虫 / 糸状虫症 / ミクロフィラリア / モノクローナル抗体 / 循環抗原 / 血清抗体価 |
Research Abstract |
バンクロフト糸状虫ミクロフィラリアに特異的に反応するモノクローナル抗体を産生する2種類のハイブリドーマをBALB/cマウスの腹腔に移植し腹水癌細胞化させることによりそれぞれの高濃度のモノクローナル抗体が連続的に得られるようになった。これらの抗体は腹水中より硫安塩析および高速液体クロマトグラフィーにより約20倍に精製することが出来た。次にこれらの抗体にビオチンをラベルしミクロフィラリアより抽出した抗原を用いてビオチン-パーオキシダーゼ標識アヴィジン系の酵素抗体法(ELISA)およびイムノブロット法を確立した。 バンクロフト糸状虫症流行地で採集した血中ミクロフィラリア陽性患者血清および血中無ミクロフィラリア慢性糸状虫症患者血清をポリエチレングリコール処理して得られた抗原ー抗体コンプレックスにビオチン標識モノクローナルと反応させると効率よく結合しパーオキシダーゼ標識アヴィジンによりその存在が証明されることが判明した。現在この抗原ー抗体コンプレックスの定量法について検討中である。 また血中ミクロフィラリア陽性患者血清においては採血後血清分離にいたるまでの間にミクロフィラリアの死滅によると思われる抗原成分の溶出が起こることが判明した。血中循環抗原とこの採血後溶出抗原とをいかにして分別し得るかが研究の進展の中に新たな課題として生じた。 さらに他種寄生虫感染症患者血清中に見られる当該抗原ー抗体コンプレックスとモノクローナル抗体がどの程度交叉をするか検討中である。
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