1992 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌の産生する病原性因子エラスターゼ,アルカリプロテアーゼの分子生物学的研究
Project/Area Number |
04670249
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥田 研爾 横浜市立大学, 医学部, 教授 (40124862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜島 健治 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00114611)
川本 進 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80125921)
福島 淳 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00181256)
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Keywords | 緑膿菌病原因子 / エラスターゼ / アルカリプロテアーゼ / 転写制御 / 組換えワクチン / タンパク質の分泌 / Fur / LasR |
Research Abstract |
緑膿菌の病原因子であるエラスターゼとアルカリプロテアーゼの発現制御について、研究を行っている。本年度我々は、エラスターゼのプロモータ領域を詳しく解析するために、まず、プライマーエクステンション実験により、転写開始点を決定した。つぎに、プロモーター領域を様々な大きさに分け、それらをクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)の上流に組換え、発現実験を行なった。これらの実験により、エラスターゼの発現に必要なプロモーター構造が明かとなり、またその上流で少なくとも3つの転写を活性化しているシス配列が存在することが分った。一方我々は、すでにエラスターゼ遺伝子の発現を制御していることが分かっているLasRの遺伝子をPCRによりクローン化し、大腸菌で大量に発現させることに成功した。現在このLasRがエラスターゼ上流のどの位置に結合しているかを調べている。また、昨年度報告した、エラスターゼの活性部位に変異を持つ遺伝子を緑膿菌で発現させ、その遺伝子産物の分泌について研究を行なった。この結果、エラスターゼ前駆対は自己分解により活性化され、分泌は、自己分解と協調して起ることが示唆された。一方、アルカリプロテアーゼのプロモーターについても、プロモーターの同定を行なった。アルカリプロテアーゼのプロモーターはFurという転写因子を介して培地中の鉄イオンによりその発現が制御されていることが示唆される結果を得た。一方、変異型エラスターゼタンパク質の感染防御作用への影響を調べたところ、効果があることが、マウスの腹腔内接種実験、および、角膜への接種実験より明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroaki Takeuchi: "Structural gene and complete amino acid sequence of Vibrio alginolyticus collagenase" Biochemical Journal. 281. 703-708 (1992)
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[Publications] Susumu Kawamoto: "Site-directed Mutagenesis of Glu-141 and His-223 in Pseudomonas aeryginosa Elastase:Catalytic Activity,Processing,and,Protective Activity against Pseudomona Infection" Infection and Immunity. 58. (1993)
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[Publications] 福島 淳: "緑膿菌の病原因子と遺伝子解析-金属プロテアーゼを中心に-" メディヤサークル. 37. 109-116 (1992)