1993 Fiscal Year Annual Research Report
コンポーネント発現系を用いたウイルス構造蛋白質の解析
Project/Area Number |
04670269
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 愛吉 東京大学, 医学部(医), 助教授 (10133076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 雄介 東京大学, 医学部(医), 助手 (40182365)
吉倉 廣 東京大学, 医学部(医), 教授 (60012754)
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Keywords | レトロウイルス / 麻疹ウイルス / Gag蛋白質 / Env蛋白質 |
Research Abstract |
麻疹ウイルスの糖蛋白質であるH蛋白質とF蛋白質をヒトT細胞株Jurk atに発現させるために、ネオマイシン耐性遺伝子を持つウシパピローマウイルス(BPV)ベクターを用いたところF蛋白質は発現できず、H蛋白質も粗面小胞体(ER)からゴルジ装置への移行が不良で細胞表面にはほとんど発現されなかった。そこで発現ベクターをpCXN2(CMVエンハンサーとトリ・βアクチンプロモーターを発現プロモーターとし、ネオマイシン耐性遺伝子を持つ)に換え、標的細胞としてVero細胞を用い、細胞をクローニングすることにより発現の高い細胞を探した。その結果、蛍光染色法で細胞表面にH蛋白質を発現しているVero細胞のクローンを得ることができた。H蛋白質の発現が最も高いクローンと親株のVero細胞を用いて麻疹ウイルスの感染価測定を行ったが、両者に差を認めなかった。従って、ウイルスレセプターと結合するH蛋白質を細胞に強制発現させても麻疹ウイルスに対する感受性には変化が生じない事がわかった。pCXN2ベクターによってもF蛋白質は発現させられなかった。マウス白血病ウイルス(MLV)のシャプシド蛋白質(CA)および核移行シグナルと思われる配列を除いたCAをNIH3T3細胞に発現させるためにSRα(プロモーターはSV40由来)、MLV・LTR、pCXN2などを用いたが、細胞内での発現局在部が蛍光染色法で判明するほど強い発現を認めなかった。平成4年度にCAの核局在を認めた細胞を凍結状態から戻し蛍光染色法で調べたが、核に局在傾向を示すものの時によっては細胞質により強く染色されたり、細胞全体が染色されたりして安定な結果を得なかった。この研究施行中にアメリカのグループがCAの核移行シグナルが機能してGag蛋白質Pr65の一部が核に移行することを示したが、我々の結果からは確定的とは云えない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matano,T.et al.: "trans-Dominant interference with virus infection at two different stages by a mutant envelope protein of Friend murine leukemia virus" Journal of Virology. 67. 2026-2033 (1993)
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[Publications] Hijikata,M.et al.: "Equilibrium centrifugation studies of hepatitis C virus:evidence for circulating immune complexes." Journal of Virology. 67. 1953-1958 (1993)