1992 Fiscal Year Annual Research Report
Rickettsia japonicaのゲノム解析
Project/Area Number |
04670275
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内田 孝宏 徳島大学, 医学部, 教授 (60045325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 恒夫 徳島大学, 医学部, 講師 (90151901)
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Keywords | Rickettsia japonica / 紅斑熱群リケッチア / リケッチア表面抗原蛋白遺伝子 / PCR / RFLP(制限断方長多型) |
Research Abstract |
1)Rickettsia japonicaのゲノム解析を行う目的で、リケッチア粒子をパーコール密度勾配遠心により精製し、フェノール法でゲノムDNAを抽出した。R.rickettsii 190KDa表面抗原蛋白遺伝子の紅斑熱群リケッチア共通プライマーを用い、PCR法によりDNA増幅を検討した。その結果、R.japonicaのゲノムDNAはR.rickettsii、R.conorii、R.sibiricaのDNAと同様に増幅された。R.australis、R.akariのDNAは増幅されなかった。制限酵素による切断片長多型(RFLP)を検討すると、制限酵素AfaIはR.japonicaの増幅DNAを切断せず、他の病原性リケッチアと相違した。制限酵素PstIはR.japonicaの増幅DNAを275‐bp、158‐bp、120‐bpの3片に切断した。PCR/RFLPは他の病原性リケッチアと異なり、容易にR.japonicaを鑑別できた。本成績は、R.japonicaのゲノタイプ上の差異を示すものである。 2)ゲノムDNA断片を組み込んだ組換えλgt11をE.coli Y1090で増殖して、ファージDNAをフェノール法で抽出した。これをテンペレートとして、R.rickettsii 190kDa表面抗原蛋白遺伝子のプライマーを用い、PCR法によりDNAの増幅を試みた。その結果、DNAの増幅が確認された。即ち、190kDa相同の抗原遺伝子をクローニングできたことを示している。ビオチン標識のdUTPを基質として増幅DNAを作成し、これをプローブとして、現在、表面抗原蛋白遺伝子を組み込んだ組換えファージを選択中である。 3)R.japonica 120kDa表面抗原蛋白を分離し、家兎を免疫して抗体を作成し、組換えファージの発現蛋白を検討中である。
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