1992 Fiscal Year Annual Research Report
免疫担当細胞マクロファージ活性化における電気生理学的解析
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04670290
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 充行 島根医科大学, 医学部, 助手 (90127506)
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Keywords | マクロファージ / 電気生理学 / 神経免疫学 / 補体 / 神経ペプチド / ニューロメジン / イオンチャネル / カリウムチャネル |
Research Abstract |
補体成分C5aはマクロファージにおいて走化性の亢進、スーパーオキサイド産生、IL-1・TNF放出促進作用等が知られている。チオグリコレート刺激により誘導した腹腔マクロファージにC5aを微少投与したところtonicとphasicの2種の外向き電流を生ずることが見出された。両成分とも逆転電位は外液K濃度に依存して変化した。KチャネルブロッカーであるキニジンとTEAにより抑制された。intermediate型のCA^<2+>依存性K^+チャネルブロッカーのキャリブドトキシンはphasic相のみ抑制した。外液Ca^<2+>を除去するとphasic成分は消失したがtonic成分は存続した。以上の結果よりC5aによる活性化に伴いCa^<2+>依存性と非依存性の二種のK^+チャネルが活性化されことが明らかとなった。神経修飾物質と考えられているニューロメジンCがマクロファージ貪食能を亢進したり、LPSの作用を増強することが知られており、神経系から免疫系への介在物質として作用することが考えられている。電気生理学的に検討したところ、ニューロメジンCにより外向き電流を生じた。しかし、その関連ペプチドであるニューロメジンB、ボンベシンやサブスタンスPで顕著な作用が認められなかった。外液K^+、C1^-依存性を調べたところ、K^+濃度変化にのみ逆転電位が変化した。TEA、キニジンにより弱いながら抑制されたが、アパミンやキャリブドトキシンによっては抑制されなかった。外液Ca^<2+>を除去したところ、完全に消失した。以上の結果、ニューロメジンCによって生ずるK^+電流はC5aによって生ずる二種のK^+チャネルとも異なるK^+チャネルを活性化することが明らかとなった。以上、二つの活性化物質の研究よりマクロファージ活性化過程において、K^+チャネルが活性化されることが電気生理学的に明らかとなった。
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[Publications] Mitsuyuki Ichinose: "Induction of two K^+ current by complement conponent C5a in mouse macrophages." Biochimica et BioPhysica Acta. 1111. 165-170 (1992)
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[Publications] Mitsuyuki Ichinose: "The neuropeptide, neuromedin C, activates a potassium current in mouse macrophages." FEBS Letters. 314. 458-460 (1992)