1992 Fiscal Year Annual Research Report
女子夜間労働の生体リズムに及ぼす影響とその作用機序に関する労働生理学的研究
Project/Area Number |
04670300
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神山 昭男 北海道大学, 医学部(衛生学), 助教授 (90215202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 健 北海道大学, 医学部(衛生学), 助手 (40153811)
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Keywords | 夜間労働 / 生体リズム / スペクトル解析 / 心電図 / R-R間隔変動 / 性差 / 時系列解析 / 最大エントロピー法 |
Research Abstract |
わが国では医療福祉関連事業や運輸通信業務などのサービス業を中心として夜間労働においては交替制勤務が採用され、女性労働者の比率は年々増加傾向にある。これらの女性労働者に月経周期異常や睡眠障害、慢性胃腸障害、燃えつき症候群などをはじめとした症例が多数認められる。これらの問題の成因の解明には、労働者の健康影響に及ぼす個々の要因の役割、寄与の程度、関連性等を明らかにし、性差の面から検討を加える必要がある。そこで、本年度は研究計画の初年度であることから、 (1)研究対象となる女子夜間労働の現代を把握するため、予備調査を実施した。調査内容は、病院、診療所等における夜間勤務の実施状況を中心として、配置人数、年齢構成、勤務経験、看護労働内容を含めた。その結果、施設規模により異なる点もあるが、多くは1〜2人の当直勤務体制がしかれ、看護婦の慢性的不足を背景として、当直回数も多いことが明らかとなった。 (2)次に研究対象施設を抽出し、研究調査の協力依頼を行い、年齢階層別に昼間勤務群、夜間勤務群の対象者を確保した。 (3)対象施設における労働環境について、現有機器を使用し、気温、湿度、照度、騒音などの測定を実施した。 (4)対象者に行動記録、疲労自覚症状調べを記入させるとともに、フリッカー値、歩数等を測定した。心電図、血圧、心拍数については携帯型自動記録計により測定し、尿、血液を採取回収し、糖、内分泌ホルモンを測定した。 以上のうち、特に、心電図、血圧、心拍数、血液中の糖、内分泌ホルモン等の生体機能の時間変動については、スペクトル解析をはじめとする時系列解析を平成5年度において取り組む予定である。
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