1992 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化ゲルマニウムによる腎機能障害に関する基礎的検討
Project/Area Number |
04670304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 信行 東京大学, 医学部(医), 教務職員 (40143424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 攻 東京大学, 医学部(医), 教授 (60009933)
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Keywords | 二酸化ゲルマニウム / 腎 / 細胞分画 / 分布 |
Research Abstract |
二酸化ゲルマニウムの長期摂取による腎機能障害の発生機序を解明するための第一歩として、ラットを用い、二酸化ゲルマニウム投与時の腎の細胞分画内のゲルマニウムの経時的な分布の変化について検討を行い、以下のような知見を得た。 1.二酸化ゲルマニウム水溶液の1回腹腔内投与(50mg Ge/kg body weight)では、腎中のゲルマニウム濃度は、投与後30分 136ppm、2時間 60ppm、6時間 8.2ppm、24時間 2.6ppmと急速に低下し、その、およその半減期は10時間であった。 2.腎の各subcellular fraction中のゲルマニウム量は、腎1g当たり、投与後30分、2時間、6時間、24時間で、それぞれNuclear fr.16.1μg、8.3μg、1.17μg、0.34μg、Mitochondrial fr.13.2μg、8.4μg、0.96μg、0.40μg、Microsomal fr.3.3μg、1.5μg、0.23μg、0.17μg、Cytosolic fr.104μg、42μg、5.8μg、1.7μgであり、同様に急速な低下が見られた。 3.各fraction間でのゲルマニウムの分布状態を見ると、経時的にはほとんど変化が無く、Nuclear fr.14%、Mitochondrial fr.12%、Microsomal fr.3%、Cytosolic fr.71%と、Cytosolic fr.がその大部分を占めていた。 4.ゲルマニウムの分布を、各fractionの蛋白当たりで見ても、やはりCytosolic fr.が最も高い濃度を示していた。 以上より、投与されたゲルマニウムは尿中から速やかに排泄されるが、腎においてはCytosolic fr.中にその大部分が存在しており、また、蛋白当たりの濃度も他のfractionの3倍程度高いことより、この分画について更に検討する予定である。
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