1992 Fiscal Year Annual Research Report
疾患の遺伝子診断法の開発とその危険因子としての評価
Project/Area Number |
04670306
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
湯浅 保仁 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80111558)
|
Keywords | 遺伝子診断 / 危険因子 / 遺伝病 / 悪性腫瘍 / 癌抑制遺伝子 / 大腸癌 / 食道癌 |
Research Abstract |
1.点突然変異を検出するためのPCR-SSCP法の改良 PCR-SSCP法は、点突然変異を検出する方法として、最近広く使われるようになった。しかし、原法にはいくつかの不便さがある。即ちラジオアイソトープ(^<32>P)を使う事と、シークェンシング用の大きなゲルを用いる事である。我々はラジオアイソトープの代わりに銀染色でDNAを充分検出できる事を確認した。またシークェンシング用の大きなゲルの代わりに市販の恒温槽付きミニスラブ電気泳動装置を用い、短時間に泳動が終わり、かつ分離も良くSSCPを示す事ができた。 2.遺伝性高発癌家系における遺伝子診断の開発 単一遺伝子の先天的異常により起こる遺伝性の癌は、原因遺伝子を同定し、その家系における異常を検出すれば遺伝子診断が可能となる。そこで我々はまだ原因遺伝子の同定されていない遺伝性非ポリポージス性大腸がん(HNPCC)10家系と家族性胃癌2家系についてPCR-SSCP法で検索した。調べた癌抑制遺伝子はp53、DCC、MCCである。まだ一部のエキソンしか検討していないが、HNPCC患者1例の正常細胞DNAでMCC遺伝子の異常が検出された。 3.食道癌における癌抑制遺伝子の異常 食道癌の危険因子はアルコールと喫煙である。これらの危険因子と食道癌における癌抑制遺伝子の変異に関連があるかどうかを調べるため、45例の食道癌におけるp53、DCC、MCCの変化をPCR-SSCP法で検索した。その結果、p53では45例中17例(38%)、DCCでは45例中5例、(11%)に異常がみられた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Masayuki Ando: "Mutations in c-K-ras 2 gene codon 12 during colorectal tumorigenesis in famitial adenomatous polyposis patients" Gastroenterology. 103. 1725-1731 (1992)
-
[Publications] Eiko Arai: "A constitutional translocation t(4;22)(9 12;9 12.2)、associated with neurofibromatosis type 2" American Journal of Medical Genetics. 44. 163-167 (1992)
-
[Publications] Takashi Kamiyama: "B-raf oncogene:Activation by rearrangements and assignment to human chromosome 7" Japanese Journal of Cancer Research. 84. (1993)
-
[Publications] 大藤 道衛: "銀染色とグラジェントゲルを用いたnon-RI PCR-SSCP法" 生化学. 65. 35-38 (1993)