1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670312
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
竹中 均 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10179658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 稔 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (90039529)
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Keywords | 虚血再潅流 / 細胞壊死 / 心臓 / 筋小胞体 / 肝臓 / ミトコンドリア / 酸化的リン酸化 / ビタミンE |
Research Abstract |
平成4年度の研究計画として、ウサギから摘出した心筋を低温で保存すると出現し再潅流処理で消失する分子量98,000ダルトン(98kDa)のポリペプチドの単離同定を設定した。既に進行していたラット心筋を用いた研究と比較するためにラット心で本研究を開始したが、ラット心筋はウサギ心筋と比べて虚血再潅流障害に対する抵抗性が高いためか、ウサギで得られた結果を再現できなかった。この事実は虚血による細胞内ATPレベルの減少速度がラットではウサギより遅いとする報告を支持した。対象動物をウサギに戻して研究を再開した結果、少なくとも30分の低温浸漬では98kDaのポリペプチドの出現は顕著ではなかった。また、予めKClで心停止を誘導しなかった場合にも、僅かながら当該ポリペプチドが出現していたことを確認した。現在、摘出したウサギ心臓を種々時間虚血処理を施し、再潅流時間をかなり短いものから長いものまで比較している。 ラットの肝臓を部分的に虚血状態におき、さらに再潅流処理を加えてミトコンドリアを単離して呼吸能を調ベた。クエン酸を基質とした場合もコハク酸を基質とした場合も、呼吸能は虚血で低下し血液再潅流で回復する傾向がみられた。この回復傾向はミタミンEを前投与した肝臓で有意に高かった。基質の違いにより呼吸調節率の変化に違いがあり、複合体Iが損傷されていることが示唆された。さらに、チトクローム酸化酵素活性も虚血再潅流により低下したが、ビタミンEで軽減された。虚血前後でブドウ糖を負荷して血中ブドウ糖レベルを調べた結果、ビタミンE投与群では非投与群に比べて血中ブドウ糖レベルの上昇は抑制され、虚血による糖代謝活性の上昇もビタミンEによって抑制されていることが示唆された。しかしながら、血中ブドウ糖レベルは生理的食塩水の負荷によっても上昇した。この点に関して現在研究を進めている。
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