1992 Fiscal Year Annual Research Report
多産集団ハッテライトにおける人口動態の現状の直接評価
Project/Area Number |
04670316
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
野中 浩一 帝京大学, 医学部, 講師 (80142446)
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Keywords | ハッテライト / 多産集団 / 双生児出産 / 季節変動 / 出生力 / 出生間隔 / 母親年齢 / 人口データベース |
Research Abstract |
Dariusleut派ハッテライトの結婚、出産、死亡の日付を家族単位の構成にしたデータベースを作成中である。 本年は主として、個人情報データ(氏名)の追加入力を行なった。パソコン版のデータベース管理ソフトは開発途中であり、とくに今後の新規発生データ入力のためのインターフェイスは末完成であるが、これまでに入力したデータの統計処理が可能になったため、以下のような分析をして学会発表を行ない、一部は現在投稿中である。 1.双生児出産頻度とその季節性:多産集団ハッテライトは双生児出産頻度はむしろ低めで(1.0%)、母親の年齢や出生順位では、通常と同様の傾向をみせたが、季節では5月〜7月に少なく、また母親の出生季節によっても多排卵による双生児割合の変化が認められ、双生児出生に季節性の環境要因が作用していることが示唆された(Int J Biometeorに投稿中)。 2.双生児出産と直前出生間隔の延長:双生児を出産した母親は出生力が高いと考えられることが多いが、30歳以上で双生児を出産した母親の出生間隔は、同年齢で単殆を出産した母親より長くなっており、少なくとも双生児を妊振する直前には出生力が低下していると考えられた(7th Int Congr on Twin Studで発表)。 3.出生力の低下と年齢依在性:多産の自然出生集団として著名なこの集団も、最近では出生力が低下しているという間接証拠はあったが、今回のデータベースにより、全人口ベースの1次データによりその低下が確認された。しかし、その出生力の低下は30歳以上に限定してみられ、20歳前後では従来と同じかそれ以上の妊娠力を現在も維持していることが判明し、すべての年齢に一様に働くような出生力低下要因の影響は否定された。(XIV World Congr on Fertii Sterilおよび第63回日本衛生学会総合で発表;Hum Biolへ投稿中)。
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