1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670339
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
横山 英世 日本大学, 医学部, 助教授 (90120584)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小牧 宏一 日本大学, 医学部, 講師 (50153664)
河村 博 日本大学, 医学部, 講師 (50130472)
照井 哲 日本大学, 医学部, 講師 (00188690)
三宅 健夫 日本大学, 医学部, 講師 (30181994)
野崎 貞彦 日本大学, 医学部, 教授 (40198586)
|
Keywords | 死因統計 / 心不全 |
Research Abstract |
『目的』死亡診断書に記載された原死因「心不全」がどのような背景のもとに記載されるか、また死因統計にどのような影響を及ぼすかについて検討した。 『対象と資料』監察医務院制度のない東京以外の関東の市の中核病院を対象とした。資料は各病院に保存されている死亡診断書(検案書)とカルテを用いた。埼玉県下のK病院では1990‐1992年の3年間で、死亡診断書総数は677件であった。神奈川県下のY病院では1990‐1991年の2年間で、同数の677件であった。 『結果』K病院では原死因「心不全」は3.4%であった。この内、2欄に何らかの死因もしくは病態の記載のあるものは43%であった。更にその中で「がん術後」の記載のあるものがあり、2欄記載の医師の傾向によって「心不全」統計が変動する可能性が示唆される。原死因「心不全」となるケースは殆どは死体検案書で、突然死の場合は「(急性)心不全」とする傾向が強まるものと思われる。Y病院では「心不全」の記載は3.5%とほぼ同様の傾向であった。概して、既報による地域集団における「心不全」記載傾向より、中核病院における記載頻度は少ない。このことは病院死亡では診断精度の高さを示すものと言えなくもない。一方、診断は可能であっても、1欄に記載すべき死因が2欄に記載されて、原死因として表に現れないものもみられ。医師の適切な死亡診断書の記載が望まれる。今回の検討で、更に死亡診断書の精度を歪める可能性があると思われた死因として、「呼吸不全」や「多臓器不全」がある。これらの死因も単記で1欄に記載されると、原死因が表出されない問題が指摘できる。今後以上の結果を踏まえて、更に地域を拡大して死亡診断書における精度を検討する予定である。
|