1992 Fiscal Year Annual Research Report
補体第4成分(C4)、凝固第13因子遺伝子領域の塩基置換の解析
Project/Area Number |
04670364
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
鈴木 広一 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (60171211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明敬 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50207239)
伊藤 重徳 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90104281)
溝井 泰彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00030809)
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Keywords | 遺伝的多型 / 変異 / PCR / 凝固第XIII因子 / 補体第4成分 / PCR-RFLP / 遺伝子内交叉 |
Research Abstract |
遺伝的多型を示すタンパク質の遺伝子レベルでの変異を、補体第4成分(C4)及び凝固第13因子Aサブユニット(F13A)の遺伝子について検討した。F13Aについては、報告されている遺伝子構造から14個のコーディングエクソンすべてを遺伝子増幅法によって複製増幅できる14組のオリゴヌクレオチドを合成した。これらのプライマーを用いて、4つの対立遺伝子のホモ接合体をそれぞれのエクソンごとに増幅し、塩基配列の解析を行った。その結果、第12エクソンと第14エクソンに4つの対立遺伝子を特徴づける塩基置換のあることを明らかにした。すなわちエクソン12のアミノ酸残基564に対応するコドンにCTG/CCGの置換、エクソン14のアミノ酸650と651に対応するコドンにGTT-GAG/ATT/CAGの置換である。4つの対立遺伝子F13A*1A、*1B、*2A、*2Bのうち1A及び2Aと1B及び2Bの違い、すなわちAとBの違いはコドン564によって、1A及び1Bと2A及び2Bの違い、すなわち1と2の違いはコドン650と651によって規定されていることをはじめて明らかにした。さらに別のプライマーを合成してこれら2つのエクソンにおける塩基置換をPCR-RFLP法で検出する方法を確立し、DNAレベルでのF13Aタイピングも可能にした(以上、Am.J.Hum.Genetに投稿中)。塩基置換の部位と数から、4つの対立遺伝子のうち3つはそれぞれのエクソンの塩基置換によって生成したこと、残りの1つは他の3つのうちの2つの遺伝子内交叉によって生じたことが強く示唆され、現在遺伝子内交叉が生じた証拠を明らかにする実験を進めているところである。C4についてはPCR-RFLP法を用いた雑種アロタイプの検出方法を検討し、スクリーニング法として使用できる条件を確立したところである。
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