1992 Fiscal Year Annual Research Report
実験動物モデルを用いた甲状腺刺激ホルモンレセプターに対する自己免疫応答の解析
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04670372
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
下条 直樹 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40221303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 陽一 千葉大学, 医学部, 助教授 (60161882)
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Keywords | マウス / 甲状腺刺激ホルモンレセプター / 自己免疫 |
Research Abstract |
異なる主要組織適合抗原(MHC)分子を表現するマウスのリンパ腫瘍細胞株であるA20.2J(H-2^d),CH-1(H-2^k),EL-4(H-2^b)に、SV-40プロモーターを有する発現ベクターに組み込んだヒト甲状腺刺激ホルモンレセプター(TSH-R)遺伝子をG418耐性遺伝子とともに、electroporationにより導入し、geneticinの存在下にstable transfectantを選別した。これらの細胞のうち、CH-1およびEL-4についてstable transfectantが得られなかったが、A20.2Jについては31株のstable transfectantが樹立された。これらの細胞はすべてTSH刺激によりcyclic AMPを産生したことから、TSH-Rを細胞表面に発現していることが確認された。さらに、TSHに対するdoseresponseの解析から、これらのtransfectantがラットの甲状腺細胞株であるFRTL5と同程度以上のTSH応答性を獲得したことが明かとなった。現在、最も高いTSH反応性を示したA20.2J TSH-R transfectantの1株をBalb/cマウスに免疫し、抗TSH-R抗体の産生能を検討するとともに、脾臓細胞をtransfectantにより刺激してTSH-Rに応答するT細胞株の樹立を試みている。さらに、1-A^K分子を導入したL cell fibroblastにlipofectinを用いてTSH-R遺伝子導入を行い、TSH-Rを安定に発現する細胞株を4株樹立した。このtransfectantをC3H/Heマウスに免疫して上記と同様に実験を計画している。
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