1993 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄腫細胞の不死化とアポトーシスに及ぼすサイトカインと接着分子の機能に関する研究
Project/Area Number |
04670399
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
清水 史郎 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50097432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福徳 雅章 金沢医科大学, 医学部, 助手 (20218944)
吉岡 律子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30200950)
荒井 俊秀 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30193048)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / アポトーシス / サイトカイン / 接着分子 / Fas遺伝子 / 骨腫瘍細胞増殖因子 |
Research Abstract |
平成5年度の実験においては、平成4年度の実験をふまえて、新鮮骨髄腫細胞26例、骨髄腫細胞株15例を対象にFas抗原、接着分子の発現を検討し、また、BCL2蛋白の発現およびIMN3.1抗原の発現とアポトーシス、腫瘍増殖との関連を比較検討した。 1)新鮮骨髄腫細胞におけるFas抗原の発現は被検18例中4例(22.2%)に20%以上の陽性例が認められ、全体としては14.6±26.7%の陽性率であった。一方、BCL2は20例中19例(95%)が陽性であり、陽性率は81.6±24.7%と高率の陽性を示した。IMN3.1抗原陽性症例は無かった。しかし、抗Fas抗体によるapoptosisの誘導は有意ではなかった。 2)骨髄腫細胞株においては、11株中6株にFas抗原陽性例が認められ、うち1例ILKM3のみが抗Fas抗体によるapoptosisを起こした。ILKM3とその他の細胞株との比較によりFas(+)、IMN3.1(+)、MYC mRNA overexpression、BCL2蛋白発現低下が抗Fas抗体によるapoptosis-proneの細胞を表わすと考えられた。 3)接着分子の発現については、新鮮骨髄腫細胞は骨髄腫細胞と同様にVLA-4、CD58、CD54、CD56、CD44を高率に発現し、VLA-5、VLA-6、LFA-1、SLe-x、LAM-1、CD41、CD51を部分的に発現していた。 4)ストローマ細胞への接着にはVLA-4、VLA-5、VLA-6が重要な役割を果たすと考えられたが、抗VLA-4抗体、抗VLA-5抗体、抗VLA-beta抗体あるいはその組み合わせによっても骨髄腫細胞の接着は完全には抑制されず、beta1インテグリン以外の接着分子の接着とapoptosisへの関与が考えられた。 5)樹立細胞株ILKM10の解析から、beta1インテグリン以外の接着への関与とIL-6以外の増殖およびapoptosisへの関与が考えられ、ILKM10の増殖およびapoptosis回避を支配するサイトカインの解明が今後の研究の急務と考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 清水,史郎 他: "多発性孔津隋腫細胞の増殖機構" 臨床血液. 34. 418-422 (1993)
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[Publications] 清水,史郎: "骨髄腫細胞の増殖機構" 血液・腫瘍科. 26. 402-411 (1993)
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[Publications] 清水,史郎: "造血器腫瘍と接着分子" 血液・腫瘍科. 28. 152-163 (1993)
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[Publications] Shiro Shimizu,et al.: "Establishment of a CD4-Positive Plasmacytoma Cell Line(AMOl)" LEUKEMIA. 7. 274-280 (1993)
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[Publications] Hiroshi Tsutani,Shiro Shimizu,et al: "Discordant LFA-1/ICAM-1 Expression in a Case of Secondary Plasma Cell Leukemia Associated With Subcutaneous Plasmacytoma" American Journal of Hematology. 42. 299-304 (1993)