1992 Fiscal Year Annual Research Report
腸管IgG Fc Binding Siteの基礎的検討と臨床応用の可能性
Project/Area Number |
04670400
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
濱田 慶城 北里研究所, 病院, 内科医長 (00137994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 研介 東京歯科大市川病院, 内科医長
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Keywords | IgG Fc Binding Site / 大腸杯細胞 |
Research Abstract |
ヒト大腸粘膜のgoblet cellの粘液中に含まれるIgGのFc部分に対するbinding siteは我々が発見したもので粘液の役割を追及するうえで極めて重大な意味を持つものであることをJ.Immunology,Immunology,Gastro-enterologyなどにおいて報告してきた。さらに基礎的検討を充実し臨床への応用の可能性を検討すべく、recombinant human FcIBSの作成を試みた。 1)rFcIBSの作成 ヒト大腸粘膜より大腸上皮細胞を単離し、それに含まれるmRNAを含むpolyRNAを精製し蔗糖密度勾配に重層しmRNAを含む各画分にまで分離した。これをアフリカツメガエルの卵細胞で翻訳させる段階までに至った。次にここよりFcIBSのmRNAを含む画分を精製する予定である。 2)病原性大腸菌に対するFcIBSの影響 ヒト大腸粘膜より精製したFcIBSをウサギ下痢原性大腸菌に対する特異的IgGとウサギ下痢原性大腸菌そのものとを混合した。この混合物をFcIBSに対するモノクローナル抗体を用いた酵素抗体法にて染色した、その結果では特異的IgGとウサギ下痢原性大腸菌は凝集塊を形成しFcIBSはさらにその凝集塊を覆い、特異的IgGとFcIBSは協力してその細菌を捕捉していることが免疫組織化学的に確認された。さらにこの細菌ー特異的IgG-FcIBS complexを培養すると細菌ー特異的IgG complexと細菌+非特異的IgG+FcIBSの混合物に比べ発育したコロニーの数は有意に少なくFcIBSは殺菌作用もしくは増殖抑制作用を持つ可能性が示唆された。
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