1993 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウィルスの各種表面抗原蛋白の発現と抗体測定系の確立
Project/Area Number |
04670408
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横須賀 收 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (90182691)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 和彦 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / HCV-RNA / 中和抗体 / HCV表面関連抗原(EZ) / 蛋白発現ベクター / E2抗体 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引続きC型慢性肝炎患者血清中からウイルスの表面抗原関連抗原をコードした遺伝子をクローン化し、これらのクローンを用いて多種類の表面関連抗原蛋白(E2)抗原蛋白の発現ベクターを作製した。また、これらの抗原発現ベクターを用いて大腸菌内でウイルスの表面関連抗原(E2)蛋白を発現し精製した。このE2抗原蛋白を用いてウェスタンブロット法を行い患者血液中の抗E2抗体の存在を検討した。本年度は特にインターフェロン治療を施行した患者血液中のE2抗体の出現、消失についても検討した。 本法を用いてE2抗体の検索を行うことにより、C型慢性肝疾患患者にE2抗体が存在していることを明らかにした。またウェスタンブロット法を改良し、抗原蛋白の変性を極力少なくすることで抗体検出率を上昇させうること、このE2抗体がC型慢性肝炎患者の約60%に存在することを見いだした。またインターフェロン治療有効例の治療前後の血清におけるE2抗体についても検討し、治療が有効でありウイルスが排除されたと考えられる例でE2抗体が陽性から陰性化する例もみられることを見いだした。 C型肝炎の持続感染が成立しているときに同時にE2抗体が存在すること、また治療有効例でE2抗体が出現してくるのでないことから、このE2抗体が全体としては中和抗体たりえない可能性を明かにした。ウイルスが免疫複合体として存在しているのであれば、このような抗体の存在は可能であると考えられる。最近、C型肝炎ウイルスが免疫複合体として血中に存在している可能性が示唆されており、今後さらにE2抗原のどの免疫エピトープがこのような免疫複合体の産生に関与しているのか検討することが課題であると考えられる。
|
-
[Publications] Yokosuka Osamu: "Expression of HCV E2/NSI protein as a fusion protein with malfose binding protein." Gut. 34. S64-S65 (1993)
-
[Publications] Yokosuka Osamu: "High detection rate of hepatitis C virus E2 antibody in patients with type C hepatitis." Gastroenterologica Japonica. 28. 52-54 (1993)
-
[Publications] Yokosuka Osamu: "Expression of hepatitis C virus core protein as a fusion protein with malfose binding protein." Digestive Disease and Science. 38. 626-630 (1993)