1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670421
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
赤羽 賢浩 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60092855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 太郎 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10240053)
宮崎 吉規 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80166157)
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Keywords | C型肝炎 / 感染経路 / 配偶者間感染 / 家族内感染 / HCVキャリア / HCV感染既往者 / HCV遺伝子型 / 慢性肝疾患 |
Research Abstract |
C型肝炎は血液伝搬性のウイルス感染症であるが,輸血以外の感染経路についてはperson to personの感染と考えられているもののその実態は不明である。そこで今回C型慢性肝疾患患者の配偶者及び家族構成員につきHCVの感染状態を検索し,C型肝炎の感染経路につき検討した。その結果,48例のC型慢性肝疾患患者の14例の配偶者(30%)に何らかのHCV関連抗体を検出した。14例の配偶者のうち8例(17%)はC100-3抗体,core抗体がともに陽性でHCV RNAも陽性で,全例に肝障害を認めた。残りの6配偶者(13%)はcore抗体のみが陽性で,6例中2例のみがRNA陽性であった。4例はRNA陰性で肝機能も正常であった。HCV関連抗体が陽性の配偶者は結婚期間が長く,発端者の肝疾患が進展する程,配偶者のHCV関連抗体保有率は上昇した。発端者と配偶者がともにRNA陽性の10ペア中7ペアはHCVの遺伝子型が一致したが,3ペアは不一致であった。次いで対象を家族構成員270名に広げてHCVの感染状態を検討した。その結果270名50名(19%)の家族構成員がHCV関連抗体を保有し,年令分布を一致させた一般献血者よりはるかに高率であった。50名中32名(64%)はHCVキャリアであり,18名(36%)はHCV感染既往者と考えられた。家族関係では同胞間,配偶者の陽性率が親子間より高率で,また父子間,母子間に差を認めず,B型肝炎の感染状況とは異っていた。HCV RNA陽性の家族構成員と対応する発端者のペアにつき,HCV遺伝子型を検討すると,32組中26組で一致したが,6組では不一致であり,遺伝子型がIII型,IV型では約半数が一致するのみであった。この成績から,C型肝炎の配偶者間感染,家族内感染は成立するが,HCV抗体陽性の配偶者,家族構成員の全てが発端者からの感染とは断言できず,更に経年的な観察,HCV遺伝子配列の比較などが必要と考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Akahane etal.: "Tranmission of HCV between spouses." The Lancet (letter). 339. 1059-1060 (1992)
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[Publications] 赤羽 賢浩: "HCV genotypeの臨床的意義を教えて下さい." 治療. 74. 2079-2081 (1992)
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[Publications] 木村 公憲: "C型慢性肝疾患患者の配偶者におけるC型肝炎ウイルスの感染状態" 肝臓. 34. (1993)