1992 Fiscal Year Annual Research Report
EGFのプロスタグランジンを介した胃粘膜上皮増殖刺激作用に関する研究
Project/Area Number |
04670431
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 長逸 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (30196092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的崎 尚 神戸大学, 医学部附属病院, 助手
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Keywords | 胃粘膜粘液上皮細胞 / EGF / プロスタグランジンE_2 / シクロオキシゲナーゼ活性 / シクロオキシゲナーゼ遺伝子 / DNA合成 |
Research Abstract |
I.モルモット胃粘膜粘液上皮細胞の単層培養系を確立した。10%血清存在下で増殖した細胞を15時間無血清下で培養ののち、EGFを添加するとEGFの濃度に依存した〔^3H〕チミジンの取り込み増加が観察された。インスリンも又胃粘膜上皮細胞のDNA合成を用量依存性に促進し、10^<-7>MインスリンはEGF刺激のDNA合成促進作用を増強した。bFGFも用量依存性に胃粘膜上皮のDNA合成を促進し、EGF+インスリンの作用を増強した。 II.EGFはDNA合成を促進する濃度範囲で、10%血清あるいはアラキドン酸存在下に胃粘膜上皮における各種プロスタグランジン(PG)の産生を刺激した。EGF刺激PGE_2の放出はインドメタシンにより用量依存性に、ほぼ完全に抑制された。EGFは胃粘膜上皮のホスホリパーゼA_2活性には影響を与えなかったが、胃粘膜上皮ミクロソーム画分のシクロオキシゲナーゼ活性を刺激した。EGF刺激シクロオキシゲナーゼ活性はインドメタシンで抑制された。EGFはまた、濃度及び時間依存性にウエスタンブロット法で同定されるシクロオキシゲナーゼ蛋白の発現を刺激した。EGF刺激PGE_2分泌とシクロオキシゲナーゼ活性はシクロヘキサミド及びアクチノマイシンDにより抑制され、シクロオキシゲナーゼ蛋白の発現調節は遺伝子の転写及び翻訳によって調節されることが示唆された。 III.マウスシクロオキシゲナーゼI及びIIcDNAを用いて、モルモット胃粘膜上皮シクロオキシゲナーゼ遺伝子の発現をノーザンブロット法にて解析した。EGFはtypeIIシクロオキシゲナーゼ遺伝子の発現を刺激し、typeI遺伝子の発現は観察されなかった。
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