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1992 Fiscal Year Annual Research Report

肝細胞内情報伝達機構に対する慢性エタノール投与の影響

Research Project

Project/Area Number 04670441
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

東 克謙  名古屋市立大学, 医学部第1内科, 助手 (30238266)

Keywordsphospholipase C / 細胞内Ca^<2+> / IP_3 / 慢性エタノールラット / エタノール / protein kinase C / protein kinase A
Research Abstract

Indo-1で負荷した肝細胞においてEtOHによる細胞内Ca^<2+>の上昇は両群ともに一過性であり、その初期速度、最高Ca^<2+>濃度には差はみられなかったが、Ca^<2+>濃度の減少はエタノールラットにおいて有意に緩徐であった。同様にEtOH(300mM)によるIP_3の産生も両群ともに一過性であり、刺激30秒後に最高値を示し両群間に差はみられなかったが、その減少速度はエタノールラットにおいて明らかに緩やかであった。つまり、EtOHによるPLC活性化は慢性エタノール投与により影響を受けないが、PLC活性はより持続することが示唆された。PKC賦活剤であるTPA(100nM)で前処置すると、EtOH刺激による細胞内Ca^<2+>の上昇、IP_3の産生はコントロールラットではほぼ完全に抑制されたが、エタノール投与ラットでは部分的に抑制されるにすぎなかった。一方、CPT-_cAMP(2μM)でPKAを刺激すると、EtOHによる細胞内Ca^<2+>の上昇は明らかに増強され、その程度には両群間に差はみられなかった。これらの結果より、EtOHによるPLC活性化に対して慢性エタノール投与ラットではPKCに対する感受性は低下し、耐性を生じるが、PKAに対する感受性は影響されないものと考えられる。vasopressin刺激による細胞内Ca^<2+>の上昇はコントロールラットに比較して慢性エタノールラットにおいて明らかに増強され、濃度依存曲線は左方に変移した。またEtOH(10-300mM)前処置による抑制効果はエタノールラットにおいて明らかに減弱していた。またvasopressinによるIP_3の産生を経時的に検討すると、1分間までの初期の増加速度には両群間に有意な差は認められなかったが、EtOHによる抑制効果はエタノールラットにおいて減弱していた。つまり、エタノールラットではvasopressin刺激によるIP_3の産生能には影響を受けないが、細胞内Ca^<2+>の上昇は明らかに増強され、さらにEtOHによる抑制効果が減弱したことは慢性エタノール投与により、細胞内Ca^<2+>貯蔵部位のIP_3受容体の感受性に変化が生じ、EtOHに対して耐性が生じるものと考えられた。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 東 克兼,他: "慢性エタノール投与ラット肝細胞におけるエタノールによるPhospholipase C活性化について" アルコール代謝と肝. 11. 32-38 (1992)

  • [Publications] 山田 潤一,他: "分離肝細胞におけるエタノールによる細胞内情報伝達機構" アルコール代謝と肝. 11. 25-31 (1992)

URL: 

Published: 1994-03-23   Modified: 2016-04-21  

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