1993 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞内情報伝達機構に対する慢性エタノール投与の影響
Project/Area Number |
04670441
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
東 克謙 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30238266)
|
Keywords | 慢性エタノール投与ラット / phospholipase C / 細胞内情報伝達 / protein kiuase C / protein kimose A / vasopvessin / エタノール |
Research Abstract |
平成5年の研究ではvasopressinによるphospholipaseC(PLC)活性化に対するprotein kinaseC(PKC)とcAMP依存性キナーゼであるprotein kinaseA(PKA)の効果について検討した.コントロールラット,慢性エタノール投与ラット両群においてPKC賦活剤のphorbol ester(TPA)前処置により抑制,同阻害剤のH7により軽度増強され,PKA賦活剤のCPT-cAMPにより著明な増強,同阻害剤のRpcAMP[S]では変化はみられなかった.また,エタノール(EtOH)を併用した場合,PKC賦活剤,PKA阻害剤はEtOHの抑制効果を増強し,一方,PKC阻害剤,PKA賦活剤はEtOHの効果を減弱させた.このすべての反応において,エタノールラットではPKC,PKAに対する感受性が低下し,慢性エタノール投与によりprotein kinaseに対して耐性を生じることが明らかとなった.また,ヂギトニン処理により作成した透過性肝細胞において,慢性エタノール投与によりIP_3に添加による小胞体からのCa^<2+>放出は明らかに増強され,前年度の研究で推測したようにIP_3受容体の感受性が亢進していることが明らかとなった.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 東 克謙: "分離肝細胞におけるエタノールによる細胞内情報伝達機構" アルコール代謝と肝. 11. 25-31 (1992)
-
[Publications] 東 克謙: "慢性エタノール投与ラット肝細胞におけるエタノールによるphospholipase C活性化について" アルコール代謝と肝. 11. 32-38 (1992)
-
[Publications] 東 克謙: "慢性エタノール投与ラットにおけるホルモン作動性ホスホリバーゼC活性……" アルコールと医学生物学. 13. 69-75 (1993)
-
[Publications] 東 克謙: "ホスホリバーゼC依存性肝細胞内情報伝達機構に対するエタノールの影響" アルコール代謝と肝. 12. 28-39 (1992)