1992 Fiscal Year Annual Research Report
免疫学的肝細胞障害の標的抗原としての肝レクチンとその病態生理の解明
Project/Area Number |
04670445
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
銭谷 幹男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70138767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 剛太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40090500)
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Keywords | アシアロ糖蛋白受容体 / annexin / 漫性肝炎 / 免疫学的肝障害 |
Research Abstract |
肝レクチンであるアシアロ糖蛋白受容体(ASGPR)に対する抗体測定系において必要なヒト肝アシアロ糖蛋白受容体の精製を行った。従来報告されていた精製法では、ASGPRの収量は著しく低く、orthomucoidを用いたアフィニティーバッチ処理法にてより優れた収量を得られることを明らかにした。今回検討した精製法で得られたASGPRはアクリルアミド電気泳動で一本のバンドを示し、既知の分子量と一致した。現在この精製ASGPRを用いたイミュノプロット法により慢性肝炎症例の抗ASGPR抗体を検討中である。またこの精製過程において、肝細胞膜糖蛋白であるannexinIVを得ることができた。このannexinIVは、組織学的に正常肝組織の肝細胞、および胆管上皮に認められ、ウイルス肝炎等、肝細胞障害を認める組織では、表出の明らかな減弱を認めた。抗ASGPR抗体とともに、このAnnexinIVと肝障害病態との関連についても検討を加える予定である。
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[Publications] 銭谷 幹男: "自己免疫性肝疾患(肝疾患の診断と治療)" Tokyo Tanabe Quarterly. 39. 115-130 (1992)
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[Publications] 銭谷 幹男,戸田 剛太郎: "自己免疫性肝炎とC型肝炎ウィルス Therapeutic" Research. 12. 3067-3071 (1991)
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[Publications] 銭谷 幹男: "C型慢性肝炎の診断と問題点" 医学のあゆみ. 161. 330-333 (1992)
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[Publications] 唐沢 達信,銭谷 幹男他: "Interfevon治療B型慢性活動性肝炎患者リンパ球の細胞障害能に及ぼす免疫賦活剤の影響-特に免疫賦活剤の相乗効果について" 消化器と免疫. 26. 153-157 (1992)
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[Publications] 戸田 剛太郎 銭谷 幹男: "自己免疫性肝炎-HCVとの関連と肝細胞障害機序" Jap,J,clin.Immun. 15. 567-571 (1992)
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[Publications] 唐沢 達信,銭谷 幹男他: "HBV Dre-Core領域の変異 Stop codonの形成とB型肝炎の病態との関連" 日本臨床. 51. 286-291 (1992)
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[Publications] 銭谷 幹男 戸田 剛太郎他: "肝細胞障害と肝細胞増殖" 日本医学館, 7 (1992)