1992 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息におけるインターロイキン10を中心としたサイトカインの役割
Project/Area Number |
04670453
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡山 博 東北大学, 医学部, 助手 (10160730)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 弦 東北大学, 医学部, 助手 (70188431)
志村 早苗 東北大学, 医学部病院, 講師 (20154312)
|
Keywords | IL5 / IL10 / ステロイド / 遺伝子発現 / 喘息 |
Research Abstract |
気管支喘息は好酸球、リンパ球、肥満細胞の浸潤を伴う気道炎症性疾患と考えられる。ステロイドは喘息における最も強力な治療薬であるがその作用機序は明らかにされていない。IL5は好酸球に対し強力かつ特異的な増殖・活性化因子として作用し喘息の病態において重要な役割を演じている。IL10はTH2細胞より分泌されTH1細胞よりのサイトカイン産生を制御する。我々はステロイドのIL5、10発現に及ぼす影響を検討した。〔方法〕健常人単核球をDexamethasone(DEX)、PHA/PMA存在下に12時間培養した。培養液中のIL5濃度をELISA法で測定した。IL5、10遺伝子発現は、RT PCR/Southern blot法により解析した。〔結果〕IL5は非刺激下で産生を認めず、PHA/PMA刺激により1例で産生が認められ、Dexで抑制された。他の4例では測定限界以下であった。IL5遺伝子発現はPHA/PMA刺激により、全例で著しく増加した。このIL5発現は10^<-8>M Dexで有意に、10^<-6>Mで90%以上抑制された。一方PHA/PMA刺激によるIL10発現はDexにより著明な抑制効果は認められなかった。〔考案〕Dexは強力にIL5産生と遺伝子発現を抑制した。DexはIL5遺伝子発現のレベルで抑制することにより、その産生を抑制すると考えられた。喘息におけるステロイドの作用はIL5の産生抑制が重要な役割を果たしていると考えられる。ステロイドはIL1、2、3、4、6、8、IFNγ、GM CSFなどの産生を抑制すると報告されている。今回の検討ではIL10はステロイドにより抑制されず、よって他のサイトカインとは違った制御を受けている可能性があり、今後検討していきたいと考えている。
|