1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミン分解酵素によるアレルギー疾患の治療法の確立
Project/Area Number |
04670457
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関沢 清久 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50171335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 光彦 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70227502)
福島 健泰 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30218911)
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Keywords | ヒスタミンN-メチルトランスフェラーゼ / ヒスタミン / 気道上皮 / ウイルス感染 / 気管支喘息 / 血管透過性 / 粘膜浮腫 / アレルギー反応 |
Research Abstract |
ヒスタミンN-メチルトランスフェラーゼ(HMT)活性がモルモットにおいて、鼻粘膜を含む気道全体に存在することを生化学的手法で明らかにし、その産生細膜が粘膜上皮と血管内皮に存在することをHMTm RNAを染色して同定した。HMT阻害剤により、ヒスタミン及び抗原ー抗体反応による気道収縮や毛細血管透過性亢進が増強されるが、ディアミレオキシダーゼ阻害剤は全く効果がないことより、気道におけるヒスタミンの分解は主にHMTで行こなわれることが示された。又、人培養上皮細胞を用いた検討で、人上皮細胞中にHMT活性が存在し、かつHMTmRNAの存在も実証した。モルモット気道と同様に、HMT阻害剤が人の気管支においてもヒスタミンによる収縮を増強することより、人においてもHMTがヒスタミンの分解に重要であると考えられた。モルモットで、センダイウイルスを経鼻的に投与し、ウイルス感染をおこすと、気道上皮の脱落と共にヒスタミン吸入による気道収縮反応が増強された。ウイルス感染モルモットでは、気道のHMT活性が正常の半分以下に低下し、HMT阻害剤による増強反応がみられないことより、以前から人で観察されていたウイルス感染后の気道過敏性の亢進は気道上皮傷害に伴うHMT活性の低下による可能性が示唆された。HMTが鼻アレルギー及び気管支喘息のアレルギー反応に深く関与している可能性を示したが、HMT活性がステロイドホルモンやβ-受容体刺激剤により変化することより、これら薬剤によるHMT活性の調節も可能になることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大類 孝: "Histamine N-methyltransferase control the contraitile response of guinea pig trachea to hiotamine" Journal of Pharmarology and Experimental The rapeutics. 261. 1268-1272 (1992)
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[Publications] 関沢 清久: "Histamine-N-methyltransferase modulates histamine and antigen-induced bronchoconstriction in guinea pigs in vivo" American Review of Respiratory Disease.