1992 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息発作におけるEndothelinの役割とその作用機序の分析
Project/Area Number |
04670462
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 哲郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (80169135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤沢 道夫 東京大学, 保健センター, 助手 (60218998)
萩原 弘一 東京大学, 医学部(病), 助手 (00240705)
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Keywords | エンドセリン / 気管支喘息 / プロスタグランジン |
Research Abstract |
エンドセリン(Endothelin,ET)は血管平滑筋の強力な収縮物質であると共に、気管支筋の強い収縮を引き起こすペプチドである。エンドセリンが気管支喘息の病態形成にどう関与しているか臨床上重要な問題とされているが、現在までのところその詳細は不明である。我々はヒスタミン処理のモルモットにエンドセリンを経気道的に吸入させ、気管支喘息様発作の誘発に成功した。この発作はカルシウム拮抗剤や抗ヒスタミン剤では抑制されず、インドメタシンにより抑制された。このことはこの発作の作用機序にプロスタグランジンの関与を示唆している。一方、in vitroでのETによる気管支筋の収縮はカルシウム拮抗剤により抑制されるが、インドメタシンでは、ほとんど抑制されない。このことはこの喘息様発作はETが直接気管支筋収縮を引き起こした結果だけでは説明できない。おそらく、トロンボキサンA_2等の生成又は放出にETが関与しているのであろう。肺にはET-1に特異的で血管平滑筋収縮を直接引き起こすAタイプの受容体とET-1、ET-2、ET-3に共通のそれ以外の受容体Bタイプが存在するがこれらの受容体のサブタイプが気管支喘息発作にどの様に関与するか不明である。今回の結果から推則されるのはETによる気管支変循はおそらくBタイプの受容体を介して標的細胞のトロンボキサンA_2等の放出を刺激するものと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koshi,T.: "Syntheses and biological activities of endothelin-1 analogs." Chem.Pharm.Bull.39. 3061-3063 (1991)
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[Publications] Koshi,T.: "Inhibition of endothelin(ET)-1 and ET-2-Induced vasoconstriction by anti-ET-1 mono clonal antibody." Chem.Pharm.Bull. 39. 1295-1297 (1991)
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[Publications] Arai,K.: "Characterization of immunoveactive endothelin in human urine." Biochem.Biophys.Res.Commun.182. 1506-1513 (1992)
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[Publications] Koshi,T.: "Induction of dyspnea by aerosol of endothelin-1/histamineor/methacholin in the conscious yuineapig" Chem.Pharm.Bull. 40. 1064-1065 (1992)