1992 Fiscal Year Annual Research Report
RTPCR法による特発性肺線維症患者の肺胞洗浄液細胞中のIL-6RNA発現の検討
Project/Area Number |
04670466
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 清二 大阪大学, 医学部, 助手 (70218577)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松梨 真知子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
|
Keywords | 特発性間質性肺炎 / 気管支肺胞洗浄細胞 / サイトカイン / 増殖因子 / RT-PCR |
Research Abstract |
[目的、方法]特発性間質性肺炎(IIP)や塵肺に伴う肺線維化の病態を解明するため気管支肺胞洗浄(BALF)細胞中の種々のサイトカインや増殖因子のmRNAの発現量をreverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)により定量した。IIPの臨床的診断基準(厚生省「びまん性肺疾患」研究班)を満たし、同意の得られた10名、無機塵肺の職業的暴露歴を持つ患者12名(石綿肺4例、石綿以外の無機塵肺症8例)および対照の健常志願者13名に気管支肺胞洗浄を行ない、BALF細胞よりRNAを抽出後、cDNAを合成し、それを鋳型として肺間質線維芽細胞の増生を促進すると言われるIL-8,TGFβ,IL-1β,IL-6,TNFαに特異的なプライマーを用いてPCRを行なった。PCR産物はethidium bromide染色あるいはサザン・ハイブリダイゼーションにより検出し、内部対照したbactinに対する各因子の相対的発現量を算定した。 [結果と考案]いずれのプライマーを用いた場合でも、広い鋳型濃度差の範囲で鋳型と産物の間に直線的な関係が得られ、高い再現性をもって鋳型cDNAを検知知できた。一回のPCRには約500ngのトータルRNAが必要であるが、通常のBALFより採取可能なRNA量では最低20項目以上の因子について測定が可能であり、微量の検体で複数のサイトカインの定量に有用な方法であることが判明した。 この方法により患者のサンプルを測定した結果、健常対照者のBALF中のIL-8,TGFβmRNAの発現は個体間での差異は比較的小さかった。IIPや塵肺症ではIL-8、TGFβmRNAの発現が対照に比較し有意に高い症例が認められた。IL-1β,IL-6,TNFαの発現については現在解析が進行中である。
|
Research Products
(1 results)