1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670483
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
杉田 克生 千葉大学, 医学部, 助手 (40211304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 信夫 千葉大学, 医学部, 助教授 (90111426)
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Keywords | プラスミノーゲンアクチベーター / DNA修復障害 / 結節性硬化症 / サイトカイン |
Research Abstract |
DNA修復異常による神経障害発現の機序を知るため,神経皮膚症候群の1つである結節性硬化症(TS)を対象とした。すでにDNA傷害因子であるMNNGによるplasminogen activator-like protease(PA)活性誘発を異常に促進するタンパク質因子の解析を行なった。このPA誘発促進因子の分離精製は,約100万倍高純度化することに成功した。この高純度精製には,インターフェロンβ抗体アフィニティークロマトグラフィーおよびカラーカラムオレンジAが役立った。従来我々はTS患者血清中より,上記PA活性誘発促進因子を精製、分離し,この因子がインターフェロンの如く,ウィルス増殖抑制や癌細胞増殖抑制活性はないことを発見した。さらにTS患者由来の線維芽細胞を系代培養し,その培養上清中に血清由来因子と同様の因子が放出されていることが確認された。即ち,PA誘発促進活性を有し,インターフェロンβとエピトーブを同じくするが,インターフェロンの様な上記生物活性を有していない因子であった。現在TS線維芽細胞を大景培養し,上清を回収し分離精製を精力的に行なっている所である。一方この培養液中に産生されてくる因子は,正常ヒト由来線維芽細胞培養液中には全く放出されておらず,TS由来細胞特有因子であることが示唆された。現在はこの因子の神経細胞への効果を検討中である。特に培養神経グリア細胞においても,PA活性誘発促進効果が認められており,さらにグリア細胞での高分子(タンパク質,DNA,RNA)合成の代謝が,この因子処理により変動するか否か検証中である。
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