1992 Fiscal Year Annual Research Report
球脊髄性筋萎縮症におけるアンドロゲンレセプター遺伝子のCAG repeatー新しい診断法と病因の追及
Project/Area Number |
04670488
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐古田 三郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (00178625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 智則 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
前田 豊樹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
水野 隆三 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | 球脊髄性筋萎縮症 / アンドロゲンレセプター / ポリメラーゼチェインリアクション / プライマー伸長法 |
Research Abstract |
球脊髄性筋萎縮症(BSMA)は下位運動ニューロンの変性に加え、睾丸萎縮や女性化乳房などの内分泌学的症状を呈する伴性劣性遺伝の運動ニューロン病である。近年この疚患はアンドロゲンレセプター(AR)遺伝子のCAG反復が正常の約2倍に増幅することが原因と報告された。我々は日本人家系6家系、孤発例2例(日本人1例,韓国人1例)を対象にAR遺伝子のCAG反復を新しいプライマー伸長法を用いて検討した。CAG反復を含む領域をポリメラーゼチェインリアクション(PCR)で増幅しCAG反復に隣接する標識プライマーでプライマー伸長を行った。基質にdAの代わりにddAを入れることにより、このプライマーはCAG反復を通過後ddAを取り込み停止する。このプライマー伸長産物を電気泳動後オートラジオグラフをすることによりCAG反復数を同定した。その結果日本人・韓国人のBSMAでもCAG反復が増幅していることが明らかとなった。この我々が開発したプライマー伸長法は、正確にCAG反復数を同定できるのみならず、PCRだけを用いて行った測定法でしばしば生じる疑陽性,疑陰性は全く認めなかった。本法は近年Restriction Fragment Length Polymorphismsに急速な勢いでとって代わろうとしているmicrosatellite遺伝子のdinucleotide或いはtrinucleotide repeatsの反復数の同定に応用できるものと考えられた。AR遺伝子CAG反復が増幅すると何故BSMAになるのか、一体CAG反復数が幾つにになったらBSMAを発症するのかなどの問題が解決される問題として残された。
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Research Products
(2 results)