1992 Fiscal Year Annual Research Report
血小板活性化因子(PAF)の脳循環動態に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
04670496
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
棚橋 紀夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10124950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 保 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (50138004)
小張 昌宏 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (30162035)
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Keywords | 脳循環 / 血小板活性化因子 / 光電法 |
Research Abstract |
脳虚血の病態に関与すると考えられる血小板活性化因子(PAF)の脳循環に及ぼす影響を検討した。 方法:成猫7匹を用い,調節呼吸下に左側頭頂部皮質に光電装置(Am J Physiol, 1978)を装着し,脳組織血液含量(CBV)を連続記録した。また舌動脈を介しcarbon black溶液を注入して得られる脳組織血液平均通過時間(MTT)とCBVより脳血流量(CBF)を算出した。脱血,再注入により脳循環自動調節能の検討を行った後,0.25% bovine albuminを含む生食水1 mlに溶解したPAF 0.01または0.1μg/kgを頸動脈内に15秒で注入し,上記parameterを経時的に算出した。 結果:PAF 0.01μg/kg投与時:CBVは,投与前6.3vol%,直後6.0±0.3,5分後6.4±0.5,15分後6.3±0.4, MTTは,投与前5.9±2.3s,直後8.3±3.4(P<0.05),5分後5.6±1.9,15分後6.0±2.4,CBFは,投与前73±29ml/100g・brain/min,直後51±21(P<0.01),5分後76±24,15分後73±30,平均動脈血圧(MABP)は,投与前128±20mmHg,直後107±18(P<0.05),5分後130±17,15分後128±22であった。PAF 0.1μg/kg投与時:投与直後のCBV, MTT, CBF, MABPの一過性の変化は0.1μg/kg投与時よりも顕著であった。 結論:PAFの内頚動脈内への投与により、脳血流の低下が認められたがその作用は一過性であった。
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Research Products
(1 results)