1993 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペス脳炎における抗原抗体複合体による化学発光を用いた髄液内抗原診断
| Project/Area Number |
04670501
|
|---|
| Research Institution | Nihon University |
|---|
Principal Investigator |
亀井 聡 日本大学, 医学部, 助手 (40142509)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一史 日本大学, 医学部, 助教授 (50004677)
|
|---|
| Keywords | 単純ヘルペス脳炎 / 化学発光 / 早期診断法 / 髄液 / 抗原検出法 / 定量性 |
|---|
| Research Abstract |
【目的】単純ヘルペス脳炎(HSVE)の髄液を正常顆粒球に加えた時の化学発光について抗HSV抗体を負荷した場合の変化を測定し,髄液内HSV抗原の検出法を開発した。初年度にてHSVE6例全例の第5から38病日の髄液検体で陽性を呈し,非HSVEの検体では全例陰性であり、本法が早期診断上有用であることを示した。本年度は本法のウイルス学的な定量性について検討した。
【方法/対象】髄液,luminol含有medium,血漿,抗HSV抗体の混合液をincubateし,正常顆粒球を加えたassay系で検討した。HSV抗原がある場合,抗原抗体複合体形成により、正常顆粒球よりsuperoxideが産生され,これを化学発光としてluminescence readerを用いて検出した。ウイルス学的定量性の検討方法:Vero細胞で増殖させたHSV1型ウイルスを、非中枢神経疾患の髄液で10^n(n;0〜6)感染単位になるように希釈系列を作製した。このHSVを含む系列と希釈に用いた髄液を上記assayを用い発光量を測定した。さらに、10^1から10^3感染単位は細分化して感染単位と発光量の関係を検討した。
【結果】ウイルス量と化学発光量の関係はHSVの増量につれ発光量は高値を呈した。10^0感染単位の発光量は、コントロールの1.9倍を示した。10^1から10^4感染単位の間では、ほぼ直線性の増加を示した。この区間ではウイルス量の定量が可能と考え,10から10^3感染単位について細かく希釈系列を設定し,検討した。この区間では感染単位をX,発光量をYとするとXの常用対数とYとの間で回帰直線で示される増加関係を認めた。この直線は、実測値と危険率1%以下で有意であった。以上より、この範囲では検量直線の作成により,髄液中のウイルス量が推定し得ると考えた。
【結語】本法はHEVE例の髄液内HSV抗原を早期に,しかも一定の定量性を有し検出できる方法であった。
|
-
[Publications] S Kamei,T Tetsuka,T Takasu K Shimizu: "New non-invasive rapid diagnosis of herpes simplex virus encephalitis by guantitative detection of intrathecal antigen using chemluminescence assay" Journal of Neurology,Neurosusgery and psychiafrg. (in print).
