1993 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィーの発症に関与するジストロフィン関連蛋白質の役割
Project/Area Number |
04670508
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Research Institution | Institute of Molecular and Cellular Biosciences, The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石浦 章一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10158743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 一彦 上智大学, 理工学部, 助手 (80245795)
反町 洋之 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10211327)
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Keywords | 筋ジストロフィー / ジストロフィン / 治療 |
Research Abstract |
デュシャンヌ型筋ジストロフィーで欠損しているX染色体由来の筋細胞膜蛋白質ジストロフィンと、第6染色体由来の類似蛋白質DRPの生理作用について検討した。まずDRPがジストロフィンの胎児性アイソフォームであるかどうか検討するため、ジストロフィン欠損が明らかなmdxマウスでのDRPの発現様式と、その発達による変化を観察した。その結果、DRPはmdxマウス胎児骨格筋細胞膜上に強く発現しており、出生後減少することが明らかとなった。しかし、出生後ほとんど発現が見られない正常マウスとは対照的に、mdxマウスでは出生後もDRPの発現は認められた。一方ジストロフィンは、胎児期での発現は認められないが、出生後骨格筋の膜に強く認められるようになった。以上の結果は、DRPがジストロフィン発現と逆相関になっていることを示し、mdxマウスでは後者の欠損を前者が補っていることを示唆していた。 次に我々は、精神遅滞とジストロフィン類の関係を調べるため、神経系でのDRPの発現を検討した。細胞差を証明するため、筋肉細胞の初代培養系およびPC12などの神経細胞株を用いてウエスタンブロット法とPCR法でDRPとジストロフィンの発現量を検討した。その結果、両蛋白質の神経細胞での発現が確認された。また治療の目的のため、ジストロフィンの大量発現を目指して細胞系でDRPmRNAの量を変化させる薬剤をスクリーニングしたところ、デキサメサゾンやcAMPでジストロフィンの転写の増加が認められた。以上の結果は、ジストロフィンやDRPの遺伝子発現を制御することによって、筋ジストロフィーの症状を軽減する可能性を示唆するものであった。今今後、実際のベッカー型患者からの培養骨格筋などで、発現増強が見られるかどうかを検討すべきものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Koga,R.,Ishiura,S.et al.: "Immunoblot analysis of dystrophin-related protein." Biochim.Biophys.Acta. 1180. 257-261 (1993)
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[Publications] Sorimachi,H.et al.: "Muscle specific calpain,p94,is degraded by autolysis." J.Biol.Chem.268. 10593-10605 (1993)
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[Publications] Nakamura,K.et al.: "Degradative activity of granzyme A on skeletal muscle proteins in vitro." Neuromus.Disorders. 3. 303-310 (1993)
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[Publications] 冨岡茂雄、石浦章一: "ジストロフィン." 細胞生物学1993. 281-290 (1993)
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[Publications] 石浦章一、杉田秀夫: "分子病理学" 文光堂, 291-295 (1993)