1993 Fiscal Year Annual Research Report
虚血による心筋細胞肥大の分子的機序-細胞内イオン濃度の変化と早期遺伝子発現の変化の対比
Project/Area Number |
04670518
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 利之 東京大学, 医学部(病), 助手 (40236302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絹川 弘一郎 東京大学, 医学部(病), 医員
八尾 厚史 東京大学, 医学部(病), 医員
青柳 昭彦 東京大学, 医学部(病), 助手
百村 伸一 東京大学, 医学部(病), 助手 (10190985)
芹澤 剛 東京大学, 医学部(病), 講師 (90143429)
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Keywords | 心筋細胞 / 心筋虚血 / 心肥大 / 細胞内Ca^<2+>動態 / 早期遺伝子発現 / 代謝阻害 / RNAブロット解析 / プロテイン・キナーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、心筋細胞の虚血及び回復期において、いわゆるImmediate-early genesの一つであるc-junの発現レベルの変化を観察し、その変化に対する細胞内Ca^<2+>濃度の変化やプロテイン・キナーゼ活性化の意義について検討を加えることであった。10日ニワトリ胚由来の培養心室筋細胞を無血清培地にて培養した後に、1mM NaCN+20mM 2-deoxy-d-glucoseを含む培養液を投与して代謝阻害(1時間)を加え、in vitroの虚血モデルとした。Ca^<2+> indicator dyeであるindo-1を用いて測定した細胞内Ca^<2+>濃度は、代謝阻害中に徐々に上昇し、通常の培養液に戻した後(回復期)には次第に低下した。培養心筋細胞より抽出した全RNAと特異的なcDNAプローブを用いて行ったRNAブロット解析の結果では、c-junの発現レベルは代謝阻害中には有意に変化しなかったが、回復期30分にて有意に上昇を開始し、60分にて最大値(コントロールの4.7倍)となった。この代謝阻害よりの回復期におけるc-junの発現レベルの上昇は、プロテイン・キナーゼCの阻害薬であるH-7(100μM)の前投与によりほぼ完全に抑制されたが、プロテイン・キナーゼAの阻害薬であるH-89(30μM)の投与によっては影響を受けなかった。EGTA(1mM)の前投与により細胞外Ca^<2+>濃度を低下させると、代謝阻害による細胞内Ca^<2+>濃度の上昇はほぼ完全に抑制されたが、回復期におけるc-junの発現レベルはEGTA非投与群と同様のレベルまで上昇した。
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