1994 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム/水素イオン交換輸送蛋白機能の調節に関する研究
Project/Area Number |
04670520
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
高市 憲明 東京大学, 医学部(分), 助手 (00175423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花井 順一 東京大学, 医学部(病), 助手
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Keywords | ナトリウム / 水素イオン交換輸送蛋白 / NHE / アミロライド / 上皮細胞 / アイソクォ-ム / ターゲッティング / クローニング / トランスフェクション |
Research Abstract |
ナトリウム/水素イオン交換輸送蛋白(NHE)には、いくつかのisoformが存在すると推定されている。上皮細胞では一般的にamiloride低感受性のNHE-3は上皮側に、amiloride高感受性のNHE-1は基底側膜に発現していると信じられている。我々は腎尿細管由来の培養上皮細胞であるOK細胞をモデルとして上皮側、基底側膜のNHEの特性ならびにその作用の調節について検討を行なった。 OK細胞には主に上皮側にNHE-3が発現していることがよく知られているが、我々は基底側膜にもNa依存性のpH調節機構が存在することを見いだし、それがNHEであることを明らかにした。基底側膜のNHEはamilorideに対する感受性が低く、副甲状腺ホルモン(PTH)により最大活性が抑制された。これらの特性は上皮側NHEと同様であることから、OK細胞には上皮側および基底側の両側にNHE-3が発現している可能性が高いと考えている。即ちある条件下ではNHE-3は基底側膜にも発現しうると思われる。但し、NHE活性の細胞内[H^+]に対する感受性が上皮側と基底側では多少異なることから、上皮細胞における局在が異なるとその機能が多少異なる可能性が示唆された。 一方、メタロチオネインプロモーターの制御下に組み込んだヒトNHE-1cDNAをOK細胞に移入し、亜鉛を用いて急性に発現されると基底側にのみNHE-1活性が発現したことから、NHE-1にはOK細胞において基底側にtargetされるシグナルが内在していると考えられる。
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