1992 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム過負荷時の不整脈に対するマグネシウムイオンの作用機序
Project/Area Number |
04670528
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00096588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部, 助手
林 秀晴 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (50135258)
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Keywords | Mgnesium / Calcium wave / Arrhythmia |
Research Abstract |
【目的】前回、我々は、[Mg^<2+>]oの増加が筋小胞体(SR)からの自動性Ca^<2+>放出によるCa^<2+> WaveをVerapamilと異なりCa^<2+> transientを抑制することなく消失させることを報告した。今回、Ca^<2+> Waveに対するMg^<2+>の抑制作用が[Mg^<2+>]i上昇によるSRへの作用によるかを検討した。 【方法】(1)電気刺激非存在下で低K^+溶液(1mM)によりCa^<2+> Waveを誘発し、1mMから12mMへの[Mg^<2+>]oの増加によるCa^<2+> Waveの頻度の経時的変化を計測した。(2)Mg-Fura-2/AM(5μM)で負荷した細胞において、[Mg^<2+>]o増加による[Mg^<2+>]iの変化を画像解析装置ARGUS100を用いて340nmと380nmでの励起による蛍光強度比の変化より測定した。(3)Indo-1/AM(2μM)で負荷した細胞においてSRのCa^<2+>量の指標となるPost-rest(30sec)のCa^<2+> transientに対する[Mg^<2+>]oの増加の効果を405nmと480nmの蛍光強度比を測定し検討した。 【結果】(1)Ca^<2+> Waveの頻度は、1mMから12mMへの[Mg^<2+>]oの増加により、17.6±2.2回/分から6分後には10.5±2.7回/分に減少した(m±SE,n=10,p<0.05)。(2)[Mg^<2+>]oの1mMから12mMへ増加により[Mg^<2+>]iは、1.06±0.16mMから6分後には有意に増加し、30分後には1.87±0.22mMに上昇した(n=12,p<0.01)。(3) [Mg^<2+>]oの増加によりPost restのCa^<2+> transientは、[Mg^<2+>]oの増加により増大した(n=4)。 【結論】[Mg^<2+>]oの増加によるCa^<2+> Waveの抑制は、電気的刺激非存在下でも観察され、Verapamilと抑制作用が異なる(前回報告)ことから電位依存性Ca^<2+> channelに対する作用によるものではなく、[Mg^<2+>]iの増加に伴うことより細胞内作用によることが示唆された。[Mg^<2+>]o増加がSRのCa^<2+>量の指標となるPost restのCa^<2+> transientを増大したことより[Mg^<2+>]o増加によるCa^<2+> Waveの抑制は、[Mg^<2+>]iの増加によるSRのCa^<2+>結合能の増大や、SRのCa^<2+>放出Channelの抑制による可能性が示唆された。Mg^<2+>の抗不整脈作用は、triggered activityのもとになるCa^<2+> Waveを消失させることよることが示唆された。
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Research Products
(1 results)