1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670529
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 健一 名古屋大学, 医学部, 助手 (80193481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 昭久 名古屋大学, 医学部, 教授 (20109763)
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Keywords | 大脳辺縁系 / 血圧日内変動 |
Research Abstract |
血圧の変動がカテコラミン等の体液性因子をはじめ、自律神経系によりもたらされることは言うまでもない。本研究の目的は中枢神経系の中でも情動の関与が示唆されている大脳辺縁系が血圧の変動を如何に制御しているかをラット第三脳室内への薬物投与により観察することにある。我々はラットにおける大脳辺縁系特に海馬が血圧並びに脈拍の変動に関与していることを報告しており、この部位の重要性は明かである。ネオスチグミンの海馬への単回投与にて明らかに血圧の上昇と脈拍数の減少を来し、これがアトロピンにて抑制された。従ってこの反応がコリン作動ムスカリンニューロンを介して行われることは明らかである。一方概日リズムは臨床医学において重要な研究課題となっている。内分泌機能、精神神経疾患のみならず循環器領域においても不整脈発生との関連、心筋虚血との関連に関心が持たれている。本年度の実験結果では4時間毎ネオスチグミンの間欠投与にて血圧は明らかに上昇を示すがこの上昇は間欠投与回数を重ねる度にその上昇変動振幅は明らかに減少する。一方、脈拍は間欠投与により毎回減少し,むしろその変動がはっきり現れてくる。この脈拍減少の変動は血中ノルアドレナリンの変動と極めて類似している。しかしながら血中アドレナリンとは相関しない。従って循環生理をコントロールする経路と内分泌代謝をコントロールする経路が同じカテコラミンによって別系統のコントロールをする可能性があると推測される。
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