1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670529
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 健一 名古屋大学, 医学部, 助手 (80193481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 昭久 名古屋大学, 医学部, 教授 (20109763)
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Keywords | 血圧 / 血糖 / 脱感作現象 / ネオスチグミン / コリン作動性神経 / 交感神経 / 副腎 / カテコールアミン |
Research Abstract |
1.無麻酔,無拘束,無処置ラットの第三脳室へのネオスチグミン投与は収縮期および拡張期動脈圧をそれぞれ約50mmHg上昇させた.2.3回(4時間毎)の反復刺激に対する昇圧反応の程度に有意差はなかった.3.両側副腎摘出ラットでは初回刺激に対する昇圧反応は無処置群より大きかったが,引き続く刺激に対して反応の程度を徐々に減じた(脱感作現象).4.脈拍はネオスチグミン投与に対して60b/min上昇し,その程度は3回の反復刺激に対して同程度で,両群間に有意差はなかった.5.血中ノルエピネフリンは無処置群において,ネオスチグミン投与に対して1000pg/mlまで増加した.6.3回の反復刺激に対して上昇の程度は等しかった.7.両側副腎摘出により血中ノルエピネフリンの反応は低下したが,両群間に有意差はなっかた.また,脱感作現象も認めなかった. 以上により,反復する中枢性コリン作動性神経系刺激による昇圧反応は脱感作を獲得しないが,この機構には副腎髄質が何らかの役割を担っていることが明らかとなった. 8.血中エピネフリンはネオスチグミン投与に対して4000pg/mlまで増加した.このエピネフリンの反応は引き続く刺激に対して徐々に減衰した.9.血糖値はネオスチグミン投与に対して320mg/dlまで増加した.この反応も脱感作を引き起こした. 以上より,反復する中枢神経刺激の対して循環系と代謝系は異なった脱感作獲得機構を有するが,この解離は交感神経-副腎髄質系の反応の解離に対していることが明らかとなった.
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Research Products
(2 results)