1993 Fiscal Year Annual Research Report
c-myc DNA負の調節領域結合核蛋白質のクローニングと遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
04670564
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
濱 純吉 近畿大学, 医学部, 講師 (00189599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 博文 近畿大学, 医学部, 助手 (10247976)
竹中 俊彦 近畿大学, 医学部, 講師 (10227043)
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Keywords | 遺伝子治療 / オンコジーン / 負の調節領域 / 血管平滑筋 |
Research Abstract |
アンギオテンシンIIによる平滑筋細胞増殖・肥大にはc-mycの増加が重要な役割を担っていると考えられる。培養血管平滑筋細胞を低濃度の牛胎児血清で培養しているときには、c-mycアンチセンスDNAを投与しても^3H-チミジンの取り込みは抑制できないが、アンギオテンシンIIで刺激すると^3H-チミジンの取り込みは約3倍に増加した。アンギオテンシンIIの存在下にc-mycアンチセンスDNAを投与すると^3H-チミジンの取り込みは有意に抑制され、ほぼコントロールのレベルまで減少した。c-mycアンチセンスDNAの代わりにc-mycセンスDNAやc-mycノンセンスDNAを投与しても^3H-チミジンの取り込みは抑制されなかっことにより、c-mycアンチセンスDNAの効果は特異的であると考えられた。そして、c-mycアンチセンスDNAはアンギオテンシンII存在下では濃度依存的に増殖・肥大を抑制することを確認した。また、c-mycアンチセンスDNAはアンギオテンシンII存在下での^3H-ロイシンの取り込みを抑制することも確認した。このことより、c-mycアンチセンスDNAは培養血管平滑筋細胞のDNA合成およびRNA合成を抑制することを間接的に証明したといえる。よって、細胞数に対する影響を調べるためアンギオテンシンII存在下での細胞増殖を調べるため細胞数を測定したが、c-mycアンチセンスDNAを投与しても、コントロールと細胞数は差がなく、アンチセンスDNAは細胞毒ではなく細胞の増殖と肥大を抑制することによって効果を示すと考えられた。
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