1993 Fiscal Year Annual Research Report
高感度CCDマイクロスコープによる心筋虚血発生メカニズムの解析
Project/Area Number |
04670569
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Research Institution | Kawasaki College Of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
後藤 真巳 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医用工学, 教授 (70029114)
立花 博之 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助手 (00241216)
平松 修 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助手 (50208849)
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (60259596)
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
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Keywords | CCDマイクロスコープ / 拍動心 / 心内膜側血管 / 微小循環 / インドシアニングリーン / FITCデキストラン |
Research Abstract |
心筋内で虚血や血流分布に局在性が生じるメカニズムを検討するために、心筋内ことに心内膜側心筋において、虚血の直接原因である微小血管の挙動と血流をCCDマイクロスコープを用いて観測した。心腔側心筋内の血管・血流動態の観測の要点を記すと、麻酔開胸犬の左心房からニードル型CCDマイクロスコープを左心室内膜側へ導き、心内膜側の細動脈、細静脈を直接観察した。その際、1)グリーンフィルターの採用、2)FITCデキストランの冠動脈内投与、3)インドシアニングリーンの冠動脈内投与および左心房内投与によって血管のコントラストを増強し、これによって細動・静脈の識別と血管径変化の計測が容易になった。 ニトログリセリンの冠微小血管に対する効果を検討したところ、ニトログリセリンは心外膜側だけでなく心内膜側の細動脈も著しく拡張させることが明かになった。また、ニトログリセリンの心内膜側細動脈に対する拡張作用は血管のサイズによって異なることが示された。すなわち、ニトログリセリンは比較的太い細動脈(内径100ミクロン以上)に対する拡張作用が強く、細い細動脈(内径100ミクロン以下)に対する作用は一過性で、しかも相対的に軽微であることが示された。また、ニトログリセリンは心内膜側細動脈の心拍動に伴う拍動振幅も増加させた。さらに、ニトログリセリンは細動脈だけでなく細静脈も拡張させる可能性が示された。ニトログリセリンの心筋内細静脈に対する効果についてはこれまでほとんど検討されていないことから、今後、詳細に解析する必要があると考えられた。 心内膜側の血流動態については、コントラストの高いIndia inkを血流マーカーとして使用することにより、心筋内だけでなく、心筋内から心腔内へ向かうThebesian静脈血流を描出できる可能性が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 後藤,真巳 他: "心筋内Slosh現象とニトログリセリン" 電子情報通信学会技術研究報告. 42-54 (1992)
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[Publications] Osamu,Hiramatsu et al.: "Phasic Charateristics of Arterial Inflow and Venous Outflow of Right Ventricular Myocordium in Dog" American Journal of Physiology. 262. H1422-H1427 (1992)
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[Publications] Akihiro、Kimura et al.: "Effect of Coronary Stenosis on Phasic Pattern of Septal Artery in Dog" American Journal of Physiology. 262. H1690-H1698 (1992)
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[Publications] Lu Songfang 他: "機会的心臓補助循環(Intrauoric Baloon Pumping IABP)が冠動脈狭窄時心筋内冠動脈血流の拍動パターンに及ぼす影響" 電子情報通信学会. 1-6 (1993)
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[Publications] 辻岡,克彦 他: "冠循環におけるミクロとマクロのリンケージのための計測技術" 脈管学. 33. 1033-1039 (1993)
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[Publications] Masami,Goto et al.: "Characteristics of Coronary artery inflow and its significance in coronary physiology" Biorheology. 30. 323-331 (1993)
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[Publications] Katsuhiko Tsujioka et al.: "Recent Advances in Coronary Circulation" Springer-Verlag, 12 (1993)